治療が困難であった左腸骨動脈領域における広範な微小動静脈瘻の1例

症例は25才,女性.生下時より存在した左下肢動静脈瘻による短絡率は74%であり,高拍出性心不全を示した.腸骨動脈造影では無数の微小動静脈瘻が左内腸骨動脈領域および大腿深動脈領域に広範に分布していた.治療としては切除は不可能であり,輸入動脈の結紮は再発率が高く不適当と考えられた.塞栓術が考慮されたが筋拘縮や広範な壊死をきたすことが予想された.以上の様に治療に苦慮し内科的治療にて経過観察となった....

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Published in日本内科学会雑誌 Vol. 78; no. 12; pp. 1803 - 1804
Main Authors 新名, 真弓, 宮島, 栄治, 杉本, 孝一, 杉山, 和秀, 宮川, 具巳, 木村, 一雄, 吉村, 浩, 佐野, 敏男, 小林, 公也, 石井, 當男
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本内科学会 10.12.1989
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Summary:症例は25才,女性.生下時より存在した左下肢動静脈瘻による短絡率は74%であり,高拍出性心不全を示した.腸骨動脈造影では無数の微小動静脈瘻が左内腸骨動脈領域および大腿深動脈領域に広範に分布していた.治療としては切除は不可能であり,輸入動脈の結紮は再発率が高く不適当と考えられた.塞栓術が考慮されたが筋拘縮や広範な壊死をきたすことが予想された.以上の様に治療に苦慮し内科的治療にて経過観察となった.
ISSN:0021-5384
1883-2083
DOI:10.2169/naika.78.1803