Human leukocyte antigen (HLA)と疾患

ヒトの主要組織適合抗原複合体(MHC)であるHLAは,自己と外来抗原である非自己を識別する重要な役割を担った細胞膜蛋白である.外来抗原は2種類のプロセシング機構により処理され,断片化されたペプチドはHLA分子と結合することにより, T細胞に抗原提示される.近年,各HLAアリルにより,結合するペプチドに一定のパターン(モチーフ)が存在することが明らかとなり,アリル特異的なペプチド結合,さらにはアリル特異的な免疫応答が惹起されることが示唆されている.さらに,各HLAアリルにより,各疾患に対する感受性(かかりやすさ)が規定されていることも証明されつつある.本稿では疾患に対する感受性をHLAとペプチド...

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Published in日本内科学会雑誌 Vol. 84; no. 12; pp. 2091 - 2103
Main Authors 猪子, 英俊, 水木, 信久
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本内科学会 10.12.1995
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ISSN0021-5384
1883-2083
DOI10.2169/naika.84.2091

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Summary:ヒトの主要組織適合抗原複合体(MHC)であるHLAは,自己と外来抗原である非自己を識別する重要な役割を担った細胞膜蛋白である.外来抗原は2種類のプロセシング機構により処理され,断片化されたペプチドはHLA分子と結合することにより, T細胞に抗原提示される.近年,各HLAアリルにより,結合するペプチドに一定のパターン(モチーフ)が存在することが明らかとなり,アリル特異的なペプチド結合,さらにはアリル特異的な免疫応答が惹起されることが示唆されている.さらに,各HLAアリルにより,各疾患に対する感受性(かかりやすさ)が規定されていることも証明されつつある.本稿では疾患に対する感受性をHLAとペプチド結合の観点から概説する.
ISSN:0021-5384
1883-2083
DOI:10.2169/naika.84.2091