ST上昇型急性心筋梗塞における超急性期心拍出量および一回拍出量の検討~動脈圧波形心拍出量モニタリングFloTrack(TM)を用いて
《Abstract》「背景」: 急性心筋梗塞の急性期における心拍出量をはじめとした血行動態の変化に関する報告はこれまでほとんどがない. Edwards社製のFloTrack(TM) sensorとVigileo(TM) monitorを用いれば, スワンガンツカテーテルを用いずに連続動脈圧心拍出量(arterial pressure-based cardiac output: APCO)モニタリングが可能である. 今回急性心筋梗塞における心拍出量をはじめとした血行動態変化をモニタリングしたので報告する. 「方法」: 2012年5月~2012年9月に当院に受診したST上昇型急性心筋梗塞患者連続1...
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Published in | 心臓 Vol. 46; no. 6; pp. 710 - 720 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本心臓財団・日本循環器学会
15.06.2014
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ISSN | 0586-4488 |
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Summary: | 《Abstract》「背景」: 急性心筋梗塞の急性期における心拍出量をはじめとした血行動態の変化に関する報告はこれまでほとんどがない. Edwards社製のFloTrack(TM) sensorとVigileo(TM) monitorを用いれば, スワンガンツカテーテルを用いずに連続動脈圧心拍出量(arterial pressure-based cardiac output: APCO)モニタリングが可能である. 今回急性心筋梗塞における心拍出量をはじめとした血行動態変化をモニタリングしたので報告する. 「方法」: 2012年5月~2012年9月に当院に受診したST上昇型急性心筋梗塞患者連続14名(年齢: 65.5±14.1歳)を対象とした. 大動脈バルーンパンピング挿入患者および, 心房細動患者は除外した. Primary PCI (percutaneous coronary intervention)後7Frシースを留置継続し, 同部位からAPCOモニタリングを施行した. 「結果」: 心係数, 一回拍出量係数, 平均血圧に関してはモニタリング開始後から低下し始めた. 開始110分後に開始後と比較して, 平均血圧の低下(p<0.001), 開始200分後に心係数の低下(p<0.011), 開始380分後での一回拍出量係数の低下(p<0.005)が有意となった. 有意差を認める低下後は12時間後まで有意な変化は認めなかった. また, 脈拍数およびStroke volume variationに関しては観察期間中では有意な変化を認めなかった. 「結論」: フロートラックシステムを使用することにより, 侵襲度低く急性心筋梗塞後の超急性期における心拍出量モニタリングが可能となった. Primary PCI後心拍出量の低下を認めるが, 3時間後以降は安定し, 12時間後まではその安定効果は持続すると考えられる. |
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ISSN: | 0586-4488 |