結核・非結核性抗酸菌症の教育 - 肺結核と肺非結核性抗酸菌症を対比して

「要旨」 : 抗酸菌感染症の診断は, 病歴, 身体所見, 微生物検査, および画像診断などを用いて総合的に行うべきものであることはいうまでもない. もちろん最終診断は微生物検査, または病理所見であるものの, これを補助するものが画像診断であり, 近年胸部高分解能CT (HRCT) の詳細な解析により, pathologic-radiologic correlationが確立したことにより, HRCT所見から病理所見を推定することが可能になってきている. この考え方が確立したのは, 肺結核の画像診断と病理所見との対比によるものであった. すなわち肺結核の画像診断は胸部画像診断の基本とも言うべき...

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Published in結核 Vol. 93; no. 11/12; pp. 569 - 577
Main Author 藤田次郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本結核病学会 15.11.2018
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ISSN0022-9776

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Summary:「要旨」 : 抗酸菌感染症の診断は, 病歴, 身体所見, 微生物検査, および画像診断などを用いて総合的に行うべきものであることはいうまでもない. もちろん最終診断は微生物検査, または病理所見であるものの, これを補助するものが画像診断であり, 近年胸部高分解能CT (HRCT) の詳細な解析により, pathologic-radiologic correlationが確立したことにより, HRCT所見から病理所見を推定することが可能になってきている. この考え方が確立したのは, 肺結核の画像診断と病理所見との対比によるものであった. すなわち肺結核の画像診断は胸部画像診断の基本とも言うべき内容を含んでいる. このため肺結核の画像診断を理解することで, 胸部画像診断全体に対する理解が深まることになる. さて抗酸菌感染症に関して学ぶ方法として, まず一般臨床で経験することの多い非結核性抗酸菌症の臨床的特徴を理解し, 加えて結核診療を主体となって担っている国立病院機構などで集中的に肺結核症例を経験することが有用であると考える. 国立病院機構病院に研修病院としての機能を強化することで, 結核を理解することができ, 抗酸菌感染症全体に対する理解が深まると考える.
ISSN:0022-9776