サイバーナイフ治療を適応した上顎悪性唾液腺腫瘍の1例
「緒言」口腔癌の治療に際し, 抗腫瘍効果の検討は云うまでもないが, 治療後の機能的, 審美的障害の検討や治療に対する患者の肉体的, 精神的許容量の検討が重要になる. 2004年から再承認を受けた定位放射線治療装置であるサイバーナイフ(CK)は, 近年頭頚部悪性腫瘍に対しその有用性が報告され, 放射線低感受性の唾液腺腫瘍や悪性黒色腫などに対しても適応されている1). しかし, 頭頚部悪性腫瘍に対するサイバーナイフの適応に関しては, 未だ明確な指標は示されていない. 今回アルツハイマー型認知症を既往症とする上顎悪性唾液腺腫瘍患者に対し, サイバーナイフ治療を適応し, 著効を得たのでその概要を報告す...
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Published in | 神奈川歯学 Vol. 47; no. 2; pp. 93 - 97 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
神奈川歯科大学学会
30.12.2012
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ISSN | 0454-8302 |
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Summary: | 「緒言」口腔癌の治療に際し, 抗腫瘍効果の検討は云うまでもないが, 治療後の機能的, 審美的障害の検討や治療に対する患者の肉体的, 精神的許容量の検討が重要になる. 2004年から再承認を受けた定位放射線治療装置であるサイバーナイフ(CK)は, 近年頭頚部悪性腫瘍に対しその有用性が報告され, 放射線低感受性の唾液腺腫瘍や悪性黒色腫などに対しても適応されている1). しかし, 頭頚部悪性腫瘍に対するサイバーナイフの適応に関しては, 未だ明確な指標は示されていない. 今回アルツハイマー型認知症を既往症とする上顎悪性唾液腺腫瘍患者に対し, サイバーナイフ治療を適応し, 著効を得たのでその概要を報告する. 「症例」患者:77歳, 女性. 主訴:口蓋の腫瘤. 既往歴:アルツハイマー型認知症. 本症例のADL(日常生活動作)レベルはIIbで, 服薬管理, 電話の応答などは不可で, 原則的には一人での留守番は困難な状況であった. |
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ISSN: | 0454-8302 |