エタンブトール (EB) による視神経障害に関する見解
エタンブトール(EB)は結核および非結核性抗酸菌症の標準治療薬として日常的に使用されている. 特に非結核性抗酸菌症の場合には1年以上の長期にわたる使用や, 再発再燃例に対して繰り返し使用することにより, 重大な副作用として視神経障害による視力障害の発生が危惧される. そこで日本結核・非結核性抗酸菌症学会, 日本眼科学会, 日本神経眼科学会の3学会合同で「EB投与に際して行うべき眼科的副作用対策」を提言する. 「1. EB投与前に行うこと」 投与前に, 副作用, 早期発見のための最適な自己検査法, 診察間隔, 眼科医との連携について患者へ十分に説明する. 「(1)患者への説明」 まず, EB内服...
Saved in:
Published in | 結核 Vol. 97; no. 2; pp. 129 - 130 |
---|---|
Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本結核・非結核性抗酸菌症学会
15.03.2022
|
Online Access | Get full text |
ISSN | 0022-9776 |
Cover
Summary: | エタンブトール(EB)は結核および非結核性抗酸菌症の標準治療薬として日常的に使用されている. 特に非結核性抗酸菌症の場合には1年以上の長期にわたる使用や, 再発再燃例に対して繰り返し使用することにより, 重大な副作用として視神経障害による視力障害の発生が危惧される. そこで日本結核・非結核性抗酸菌症学会, 日本眼科学会, 日本神経眼科学会の3学会合同で「EB投与に際して行うべき眼科的副作用対策」を提言する. 「1. EB投与前に行うこと」 投与前に, 副作用, 早期発見のための最適な自己検査法, 診察間隔, 眼科医との連携について患者へ十分に説明する. 「(1)患者への説明」 まず, EB内服の必要性, 副作用として視神経障害による視力低下や視野狭窄を生じる可能性, 症状が出現した後にも内服を継続した場合には不可逆性の視力障害が残る可能性があることを説明する. |
---|---|
ISSN: | 0022-9776 |