脳外傷による行動記憶の障害 リバーミード行動記憶検査の有用性

当センターにおいて加療した失語症のない脳外傷患者49名(男性36名, 女性13名, 平均年齢30歳)に対してリバーミード行動記憶検査(RBMT)を行った. プロフィール点では平均14.8, スクリーニング点では平均6.0といずれも低下していた. スクリーニング点下位項目では特に氏名, 約束, 見当識での低下が著しかった. WAIS-RでもVIQ, PIQ, FIQは各々平均83.4, 77.6, 78.5と低下し, VIQのみ本検査と正の相関関係を認めた. RBMT下位検査項目では視覚的項目, 展望記憶などでWAIS-Rの下位項目と相関が認められなかった. また, 同時に36名に行ったMini...

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Published inリハビリテーション医学 Vol. 38; no. 5; pp. 407 - 408
Main Authors 小川鉄男, 蒲澤秀洋, 阿部順子, 長野友里
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本リハビリテーション医学会 18.05.2001
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ISSN0034-351X

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Summary:当センターにおいて加療した失語症のない脳外傷患者49名(男性36名, 女性13名, 平均年齢30歳)に対してリバーミード行動記憶検査(RBMT)を行った. プロフィール点では平均14.8, スクリーニング点では平均6.0といずれも低下していた. スクリーニング点下位項目では特に氏名, 約束, 見当識での低下が著しかった. WAIS-RでもVIQ, PIQ, FIQは各々平均83.4, 77.6, 78.5と低下し, VIQのみ本検査と正の相関関係を認めた. RBMT下位検査項目では視覚的項目, 展望記憶などでWAIS-Rの下位項目と相関が認められなかった. また, 同時に36名に行ったMini Mental State Examination は平均26.4点と低下は軽度であったが, RBMTプロフィール点合計との間には正の相関が認められた. RBMTは脳外傷に伴う日常記憶の障害を評価する上で有用であった.
ISSN:0034-351X