管状右肺上葉切除後に発生した肺門部多発早期癌の1例
肺門部扁平上皮癌は重度喫煙者に多く, 時として多発癌を合併することがある. 今回, 右B^1 に発生した扁平上皮癌に対し管状上葉切除を施行後(T1N0M0), 11ヵ月後と16ヵ月後に残存右肺に肺門部多発早期癌を発生した1例を経験したので報告する. 症例:症例は62歳, 男性. 主訴:咳, 胸部異常陰影. 喫煙指数:20本/日×40年(B.I.800). 1994年9月, 咳が持続するため近医を受診し胸部X線上の異常陰影を指摘され, 当科紹介となった. 気管支鏡検査では右B^1 を閉塞する腫瘤を認め生検で扁平上皮癌の診断を得た. 同年11月, 管状上葉切除術を施行した. 術後40日目に軽快退院...
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Published in | 気管支学 Vol. 18; no. 7; p. 731 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本気管支学会
25.11.1996
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ISSN | 0287-2137 |
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Summary: | 肺門部扁平上皮癌は重度喫煙者に多く, 時として多発癌を合併することがある. 今回, 右B^1 に発生した扁平上皮癌に対し管状上葉切除を施行後(T1N0M0), 11ヵ月後と16ヵ月後に残存右肺に肺門部多発早期癌を発生した1例を経験したので報告する. 症例:症例は62歳, 男性. 主訴:咳, 胸部異常陰影. 喫煙指数:20本/日×40年(B.I.800). 1994年9月, 咳が持続するため近医を受診し胸部X線上の異常陰影を指摘され, 当科紹介となった. 気管支鏡検査では右B^1 を閉塞する腫瘤を認め生検で扁平上皮癌の診断を得た. 同年11月, 管状上葉切除術を施行した. 術後40日目に軽快退院した. 術後11ヵ月目に右B^6 と低幹のspurに発生した早期扁平上皮癌と16ヵ月目に中葉入口部に発生した早期扁平上皮癌にそれぞれ放射線外照射とNd-YAGレーザー治療を施行し癌細胞の消失を得た. |
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ISSN: | 0287-2137 |