成人脊柱変形に対してAnterior column realignment (ACR) 併用LLIFとPPSを用いた3椎間低侵襲手術によりPI-LL<10°を達成できる条件

「要旨」「はじめに」 : PI-LL≧10°の成人脊柱変形 (ASD) に対してACR (L3-4) , LLIF (L2-3, L4-5) , PPS (L2-L5) による3椎間低侵襲手術 (以下, 本法) にて術後PI-LL<10°を達成できる条件を後ろ向きに調査した. 「対象と方法」 : 対象は上記のASDに対し本法を行い2年以上追跡した39例で, 以下の症例を本法の適応から除外した : 1) 胸椎に側弯の主カーブあり, 2) 胸腰椎移行部に後弯あり, 3) L3-4椎間関節癒合あり, 4) 脊椎固定術の既往あり. 検討項目は年齢, 股関節骨密度 (BMD) とTスコア, 脊柱骨...

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Published inJournal of Spine Research Vol. 15; no. 7; pp. 1019 - 1027
Main Authors 谷陽一, 中信裕, 小野直登, 川島康輝, 朴正旭, 石原昌幸, 足立崇, 谷口愼一郎, 安藤宗治, 齋藤貴徳
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本脊椎脊髄病学会 20.07.2024
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ISSN1884-7137

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Summary:「要旨」「はじめに」 : PI-LL≧10°の成人脊柱変形 (ASD) に対してACR (L3-4) , LLIF (L2-3, L4-5) , PPS (L2-L5) による3椎間低侵襲手術 (以下, 本法) にて術後PI-LL<10°を達成できる条件を後ろ向きに調査した. 「対象と方法」 : 対象は上記のASDに対し本法を行い2年以上追跡した39例で, 以下の症例を本法の適応から除外した : 1) 胸椎に側弯の主カーブあり, 2) 胸腰椎移行部に後弯あり, 3) L3-4椎間関節癒合あり, 4) 脊椎固定術の既往あり. 検討項目は年齢, 股関節骨密度 (BMD) とTスコア, 脊柱骨盤矢状面パラメーター, ODIスコアである. 「結果」 : 最終観察時にPI-LLが<10°であった23例と≧10°であった16例の2群間で術前因子を検定すると, 術前PI-LLとBMDで有意差を認めた. この2項目を独立変数としたロジスティック回帰分析によりPI-LLのみが有意な因子として検出され, ROC解析にてそのカットオフ値は24.2°であった. 「結語」 : PI-LL≧10°のASDに対し, 本法により術後PI-LL<10°を達成できる条件は, 術前PI-LL<24.2°である.
ISSN:1884-7137