新規考案のステップ形成型吸収性プレート用ベンダーと仮固定兼用タップを応用して施術した顎変形症の1例

「緒言」 吸収性プレートは, 屈曲に際して加温などの処理やタップ切りなどが必要で, チタン製プレートより材質的に脆いこともあり, 吸収性プレート使用時の操作性に関しては課題があると思われる. 上下顎移動術に吸収性骨接合システムを用い, 術後も安定したとの報告1)もある. 吸収性プレートでは, ネジ固定の操作中にプレートの位置がずれやすく, 結果的に操作時間が延長しやすい. さらに, 吸収性ネジは再固定には不向きで, 角度が不適切であるとネジ山が破損しやすい. 他方, チタン製プレートでは, ドリリング後直ちにセルフタップネジで固定することができ, 位置修正時にはネジの除去も容易であり, プレー...

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Published in日本顎変形症学会雑誌 Vol. 23; no. 1; pp. 31 - 35
Main Authors 式守道夫, 田中四郎, 細原政俊, 伊藤友里, 長縄鋼亮, 岸本正雄, 江原雄一, 太田貴久, 松原誠, 笠井唯克, 住友伸一郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本顎変形症学会 15.04.2013
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ISSN0916-7048

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Summary:「緒言」 吸収性プレートは, 屈曲に際して加温などの処理やタップ切りなどが必要で, チタン製プレートより材質的に脆いこともあり, 吸収性プレート使用時の操作性に関しては課題があると思われる. 上下顎移動術に吸収性骨接合システムを用い, 術後も安定したとの報告1)もある. 吸収性プレートでは, ネジ固定の操作中にプレートの位置がずれやすく, 結果的に操作時間が延長しやすい. さらに, 吸収性ネジは再固定には不向きで, 角度が不適切であるとネジ山が破損しやすい. 他方, チタン製プレートでは, ドリリング後直ちにセルフタップネジで固定することができ, 位置修正時にはネジの除去も容易であり, プレートの再屈曲も可能である. 上顎Le Fort I型骨切り前方移動術施行時に吸収性プレートを適応するに際して, 屈曲とねじ切り, タッピングおよびネジ固定の操作を円滑かつ簡便にするために, 専用のベンダー(ステップベンダー(R), タキロン社, 大阪市)ならびにそれらの操作法を考案したので, 応用例とその概要を報告する.
ISSN:0916-7048