シェーグレン症候群患者における口唇腺生検所見と唾液腺機能の関連についての研究

「緒言」シェーグレン症候群(SS)は涙腺, 唾液腺におけるリンパ球浸潤により外分泌腺が破壊され, 眼乾燥, 口腔乾燥を主徴とする臓器特異的自己免疫疾患であるが, 同時に多種類の自己抗体産生と全身性の臓器障害を伴い, リンパ増殖疾患を発症するユニークな全身性の自己免疫疾患でもある. 本邦ではSSの診断について, 1999年の日本厚生省シェーグレン症候群改訂診断基準が用いられ, 4つの診断項目のうち2つ以上を満たせば, SSと診断することになっている. その中で, 口唇小唾液腺あるいは涙腺の生検組織における, 小葉内導管周囲の単核細胞の浸潤程度が, 最も重要な診断指標と考えられている. この診断基...

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Published in神奈川歯学 Vol. 49; no. 1; pp. 34 - 40
Main Authors 島田健雄, 久保田英朗, 石田孝文, 小澤重幸, 鈴木健司, 土肥雅彦, 岩渕博史, 本間義郎, 窪田展久
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 神奈川歯科大学学会 30.06.2014
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ISSN0454-8302

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Summary:「緒言」シェーグレン症候群(SS)は涙腺, 唾液腺におけるリンパ球浸潤により外分泌腺が破壊され, 眼乾燥, 口腔乾燥を主徴とする臓器特異的自己免疫疾患であるが, 同時に多種類の自己抗体産生と全身性の臓器障害を伴い, リンパ増殖疾患を発症するユニークな全身性の自己免疫疾患でもある. 本邦ではSSの診断について, 1999年の日本厚生省シェーグレン症候群改訂診断基準が用いられ, 4つの診断項目のうち2つ以上を満たせば, SSと診断することになっている. その中で, 口唇小唾液腺あるいは涙腺の生検組織における, 小葉内導管周囲の単核細胞の浸潤程度が, 最も重要な診断指標と考えられている. この診断基準では,「小唾液腺生検組織の小葉内導管周囲に50個以上の単核細胞の浸潤巣をfocusとみなし, 4mm2あたりのfocus数をfocus score(FS)とよび, FS1以上を陽性」としている.
ISSN:0454-8302