めまいとストレスの関連について-インターネットを用いたアンケート調査

めまいの増悪因子としてストレスが関与していることは, 日常診療においてよく経験する. 我々はめまいとストレスの関連を明らかにするため, ストレスを定量化する目的でアンケートを作成し報告した. アンケートはストレス源, 行動特性, ストレス緩和因子の各項目を点数化することで, 個人の受けるストレスの大きさを定量できる. 今回はアンケートの有用性を更に検討するため, インターネットを用いて調査した. 対象はホームページ上でアンケートに回答した6065名である. 我々の作成したアンケートをインターネット上に掲示し, ホームページ閲覧者に回答を依頼した. 得られた集計結果は年齢別, めまいの頻度別に検...

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Published in日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 106; no. 9; pp. 866 - 871
Main Authors 菅原一真, 山下裕司, 橋本誠, 堀池修, 奥田剛, 竹本剛, 高橋正紘
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本耳鼻咽喉科学会 20.09.2003
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Summary:めまいの増悪因子としてストレスが関与していることは, 日常診療においてよく経験する. 我々はめまいとストレスの関連を明らかにするため, ストレスを定量化する目的でアンケートを作成し報告した. アンケートはストレス源, 行動特性, ストレス緩和因子の各項目を点数化することで, 個人の受けるストレスの大きさを定量できる. 今回はアンケートの有用性を更に検討するため, インターネットを用いて調査した. 対象はホームページ上でアンケートに回答した6065名である. 我々の作成したアンケートをインターネット上に掲示し, ホームページ閲覧者に回答を依頼した. 得られた集計結果は年齢別, めまいの頻度別に検討した. 年齢の上昇に伴いストレス源が増加し, ストレス緩和因子が減少する傾向を認めた. また, めまいの頻度が増大に伴いストレス源と行動特性の点数が増加し, ストレス緩和因子の点数が低下していることが示された. これらの結果は以前の企業調査と似ており, 対象や調査方法が変わっても本アンケートは同じ傾向を示した. また, めまいの発症とストレスが密接に関係することが示唆された. インターネット調査は, 既存の方法と比較して, 短期間に多くの対象者を調査でき, 集計も容易であった.
ISSN:0030-6622