プラズマ蒸着重合による床用レジンの表面改質

諸外国に類を見ない速さで高齢社会を迎えている我が国において, 現在, 高齢者の健康の維持増進を目的として高齢者の健康管理に, より一層の努力が払われており, 顎口腔領域においても, 咬合や咀嚼機能の回復改善や歯周疾患などの口腔内の管理が増々必要とされる1,2). 中でも感染症に対する免疫抵抗力の衰えた高齢者に対して専門的に徹底した口腔ケアが望まれる. しかし, 床義歯を装着した患者の口腔ケアの実態をみると, 健常者であっても十分とはいえず, 要介護者に至っては極めて不良である3). 床義歯の装着がプラークの堆積を促すこと4)は周知の事実であり, 義歯に付着したプラークが原因で細菌感染を生じ,...

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Published in神奈川歯学 Vol. 36; no. 1; pp. 63 - 74
Main Authors 黒坂のぶこ, 二瓶智太郎, 花岡孝治, 倉田茂昭, 澤田智慈, 清水忠, 寺中敏夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 神奈川歯科大学学会 30.03.2001
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ISSN0454-8302

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Summary:諸外国に類を見ない速さで高齢社会を迎えている我が国において, 現在, 高齢者の健康の維持増進を目的として高齢者の健康管理に, より一層の努力が払われており, 顎口腔領域においても, 咬合や咀嚼機能の回復改善や歯周疾患などの口腔内の管理が増々必要とされる1,2). 中でも感染症に対する免疫抵抗力の衰えた高齢者に対して専門的に徹底した口腔ケアが望まれる. しかし, 床義歯を装着した患者の口腔ケアの実態をみると, 健常者であっても十分とはいえず, 要介護者に至っては極めて不良である3). 床義歯の装着がプラークの堆積を促すこと4)は周知の事実であり, 義歯に付着したプラークが原因で細菌感染を生じ, 誤嚥性肺炎やその他の全身的な疾病を引き起こす危険性が数多く報告されている5~10). そのため, 多くの高齢者が装用している義歯を清潔に保つことは大変重要であり, 義歯をプラークの付着しにくい状態に改質することは, 高齢者の口腔内環境を良好に保ち, さらに健康維持への一助となると考えられる.
ISSN:0454-8302