LIPUS照射による歯周組織由来細胞および間葉系幹細胞の増殖と分化への影響

「緒言」近年, 超音波による物理療法は, 低侵襲で治療効果が高い治療法として多種多様な研究が行われている. その中で低出力パルス超音波(Low-intensity pulsed ultrasound:LIPUS)は微弱な超音波エネルギーを応用した治療法1-3)であり, 整形外科領域において効率的な治療法として応用されている. LIPUSによる骨形成の作用は, ウサギ腓骨骨折後の治癒および大腿骨骨欠損の修復に対する効果として1983年にDuarte4)により初めて報告された. 1994年にHekman5)は脛骨皮下骨折に対して, 1997年にはKristianen6)らも, 撓骨遠位端骨折に対し...

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Published in神奈川歯学 Vol. 46; no. 1; pp. 37 - 45
Main Authors 眞野壮一郎, 宗正憲和, 岩崎和人, 高橋弘行, 田胡和浩, 川瀬俊夫, 出口眞二
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 神奈川歯科大学学会 30.06.2011
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ISSN0454-8302

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Summary:「緒言」近年, 超音波による物理療法は, 低侵襲で治療効果が高い治療法として多種多様な研究が行われている. その中で低出力パルス超音波(Low-intensity pulsed ultrasound:LIPUS)は微弱な超音波エネルギーを応用した治療法1-3)であり, 整形外科領域において効率的な治療法として応用されている. LIPUSによる骨形成の作用は, ウサギ腓骨骨折後の治癒および大腿骨骨欠損の修復に対する効果として1983年にDuarte4)により初めて報告された. 1994年にHekman5)は脛骨皮下骨折に対して, 1997年にはKristianen6)らも, 撓骨遠位端骨折に対して治癒期間の短縮に有効であることを報告した. その後, 骨折治療への応用に特化した治療技術や治療機材が開発され, 整形外科領域では遷延治癒や偽関節, 新鮮骨折の治療に保険適用されている. 骨折治療における超音波の機械的な振動は, 非侵襲的に外部より生体深部に投入される. 骨は, 力学的環境に応じてその三次元構造を適応させる7).
ISSN:0454-8302