2型糖尿病診療における医師・患者関係の日独比較

「はじめに」糖尿病診療においては, 患者の「non-compliance」の問題が1970年代から次第に大きく議論されるようになってきた. 医師にとっては単に糖尿病薬を処方するだけではなく, 患者が治療を主体的に行えるように指導することが大切であり, そのためには良好な医師・患者関係の構築が必要である. 一方, 医師・患者関係のあり方には, 文化的・社会的な背景が大きく影響を与えることが考えられる. 我々は既存の文献を参考に調査を行い, 2型糖尿病診療における医師・患者関係について日本とドイツとを比較した. 獨協医科大学の海外研修制度による留学の機会を利用して, 2017年8月19日から9月2...

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Published in日本臨床生理学会雑誌 Vol. 49; no. 1; pp. 7 - 10
Main Authors 石崎郁絵, 加藤圭恵, 五島隆之介, 斉田沙佑美, 濱田敬右, 増田美佳子, 矢澤那奈, 井上晃男, 寺田雄介, Wolfgang Roland ADE, 増田道明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床生理学会 01.02.2019
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ISSN0286-7052

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Summary:「はじめに」糖尿病診療においては, 患者の「non-compliance」の問題が1970年代から次第に大きく議論されるようになってきた. 医師にとっては単に糖尿病薬を処方するだけではなく, 患者が治療を主体的に行えるように指導することが大切であり, そのためには良好な医師・患者関係の構築が必要である. 一方, 医師・患者関係のあり方には, 文化的・社会的な背景が大きく影響を与えることが考えられる. 我々は既存の文献を参考に調査を行い, 2型糖尿病診療における医師・患者関係について日本とドイツとを比較した. 獨協医科大学の海外研修制度による留学の機会を利用して, 2017年8月19日から9月2日までドイツのミュンスター大学に滞在し, 医学部に在籍するドイツ人学生と本件につき情報交換と意見交換を行った. 本稿では, 医師・患者関係についての先行研究, 並びにミュンスター大学の医学生と行ったディスカッションの結果を踏まえた上で, 医師・患者関係における現状の問題点とその改善策を模索しながら, 2型糖尿病診療における医師・患者関係について論ずる.
ISSN:0286-7052