交叉性失語例における高次脳機能障害の検討
【目的】交叉性失語症患者の失語, 失認, 失行に関する左右大脳半球の機能局在の変化について検討を加えた. 【対象と方法】交叉性失語の自験例4例(全例左利き素因のない右半球損傷)について言語機能, 視空間認知機能, 観念運動失行, 観念失行の有無を検査し, 文献例とあわせて検討した. 【結果】自験例と文献例の左半側無視(LUSA), 観念運動失行(IMA), 観念失行(IA)の有無を下の表に示す. 【考察と結語】欠落症状で判断するかぎり, 右半球損傷による交叉性失語患者では視空間認知, 行為の中枢は左半球にある者が最も多く, 次に視空間認知の中枢は右半球に行為の中枢は左半球にある者が多く, これ...
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Published in | リハビリテーション医学 Vol. 33; no. 11; p. 858 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本リハビリテーション医学会
18.11.1996
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ISSN | 0034-351X |
Cover
Summary: | 【目的】交叉性失語症患者の失語, 失認, 失行に関する左右大脳半球の機能局在の変化について検討を加えた. 【対象と方法】交叉性失語の自験例4例(全例左利き素因のない右半球損傷)について言語機能, 視空間認知機能, 観念運動失行, 観念失行の有無を検査し, 文献例とあわせて検討した. 【結果】自験例と文献例の左半側無視(LUSA), 観念運動失行(IMA), 観念失行(IA)の有無を下の表に示す. 【考察と結語】欠落症状で判断するかぎり, 右半球損傷による交叉性失語患者では視空間認知, 行為の中枢は左半球にある者が最も多く, 次に視空間認知の中枢は右半球に行為の中枢は左半球にある者が多く, これらはBrownらの説を支持している. |
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ISSN: | 0034-351X |