当院ホスピスにおけるリハビリテーションの役割について

【目的】ホスピスでのリハビリテーションの役割をニーズと効果から検討した. 【対象】過去4年間に当院ホスピス入院中にリハ依頼された35名で, うち男性26名, 平均年齢は63. 4歳. 【結果】対象疾患は肺 骨 脳腫瘍(転移を含む)が51%を占めた. 症状として嚥下困難, 運動麻痺, 廃用, 疼痛, 呼吸困難を認め, リハ目的に嚥下能力向上, ADL向上, 機能維持, 疼痛緩和, 呼吸改善が挙げられた. 具体的な患者のニーズとして食事摂取自立, 移動手段の獲得による活動範囲の拡大等, 能力低下に対する要求が高かった. 入院後平均23. 5回の訓練の上, 29例で目的の達成が得られた. 疼痛コント...

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Published inリハビリテーション医学 Vol. 38; no. 5; p. 409
Main Authors 片桐伯真, 藤島一郎, 薛克良, 稲生綾, 佐藤新介
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本リハビリテーション医学会 18.05.2001
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Summary:【目的】ホスピスでのリハビリテーションの役割をニーズと効果から検討した. 【対象】過去4年間に当院ホスピス入院中にリハ依頼された35名で, うち男性26名, 平均年齢は63. 4歳. 【結果】対象疾患は肺 骨 脳腫瘍(転移を含む)が51%を占めた. 症状として嚥下困難, 運動麻痺, 廃用, 疼痛, 呼吸困難を認め, リハ目的に嚥下能力向上, ADL向上, 機能維持, 疼痛緩和, 呼吸改善が挙げられた. 具体的な患者のニーズとして食事摂取自立, 移動手段の獲得による活動範囲の拡大等, 能力低下に対する要求が高かった. 入院後平均23. 5回の訓練の上, 29例で目的の達成が得られた. 疼痛コントロール不良, 全身状態悪化がリハ対応の阻害因子となった. 実訓練日数とリハ効果との間には相関は認めなかった. 【結論】終末期患者に対してもQOLの維持 向上においてリハの有効性が示唆された. 今後症例を蓄積の. ヒ, ホスピスにおけるリハ対応のEBMの検討が必要と考えられた.
ISSN:0034-351X