易血栓性の体外設置型補助人工心臓装着患者に対する長期使用型遠心ポンプの使用
「要旨」 易血栓性により装着から数日で血液ポンプ交換が必要になったニプロVAD (ventricular assist device)装着患者2名に対して, 長期使用型のROTAFLOW遠心ポンプ(MAQUET社製)を使用し, 循環補助を行った. 1名の患者に対しては4セットの回路を使用し, それぞれ19, 9, 13, 19日間の補助を行った. また, もう1名の患者に対しては1セットの回路で11日間の補助を行った. ROTAFLOW遠心ポンプでの補助期間中に溶血の所見は認められなかった. 抗凝固は, ワルファリンカリウムを用いてコントロールを行い, ROTAFLOW遠心ポンプ補助期間内にお...
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Published in | 体外循環技術 Vol. 41; no. 4; pp. 491 - 494 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本体外循環技術医学会
01.12.2014
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ISSN | 0912-2664 |
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Summary: | 「要旨」 易血栓性により装着から数日で血液ポンプ交換が必要になったニプロVAD (ventricular assist device)装着患者2名に対して, 長期使用型のROTAFLOW遠心ポンプ(MAQUET社製)を使用し, 循環補助を行った. 1名の患者に対しては4セットの回路を使用し, それぞれ19, 9, 13, 19日間の補助を行った. また, もう1名の患者に対しては1セットの回路で11日間の補助を行った. ROTAFLOW遠心ポンプでの補助期間中に溶血の所見は認められなかった. 抗凝固は, ワルファリンカリウムを用いてコントロールを行い, ROTAFLOW遠心ポンプ補助期間内におけるプロトロンビン時間 国際標準比(prothrombin time-international normalized ratio : PT-INR)は3.6±0.4であった. 今回の症例で使用したROTAFLOW遠心ポンプのインペラー軸受部に血栓は認められなかったが, インペラー内部およびコネクタ接続部に血栓形成が認められた. ROTAFLOW遠心ポンプ自体は数週間にわたって使用できる可能性はあるが, 遠心ポンプ内に形成された血栓を目視で確認することは難しいため, 易血栓性の患者に使用する場合には, 塞栓症症状の出現に対して十分に注意する必要があると考える. |
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ISSN: | 0912-2664 |