障害のある学生の就労支援 - 高等教育機関の現状と課題

「1. はじめに」障害のある人の就労支援や雇用という言葉を聞いた際, 多くの人はどのような対象者や働き方, 仕事の内容や環境などを想像するのだろうか. そして, その想像や社会としての想定が現状の社会状況や課題を的確に切り取っているといえるのだろうか. 本稿では, このような問いから書き始めることとしたい. 障害のある人の就労・雇用を考える際の前提として, 障害のある人が社会のどこに存在していて, どのようなニーズがあるのかという出発点を見定める必要がある. ただ, 多くの関係者や社会の構成員は, このような当たり前の確認事項を改めて考えることはそれほど多くないだろう. 本稿における現状の整理...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in職業リハビリテーション Vol. 38; no. 1; pp. 79 - 81
Main Author 村田淳
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本職業リハビリテーション学会 30.09.2024
Online AccessGet full text
ISSN0915-0870

Cover

More Information
Summary:「1. はじめに」障害のある人の就労支援や雇用という言葉を聞いた際, 多くの人はどのような対象者や働き方, 仕事の内容や環境などを想像するのだろうか. そして, その想像や社会としての想定が現状の社会状況や課題を的確に切り取っているといえるのだろうか. 本稿では, このような問いから書き始めることとしたい. 障害のある人の就労・雇用を考える際の前提として, 障害のある人が社会のどこに存在していて, どのようなニーズがあるのかという出発点を見定める必要がある. ただ, 多くの関係者や社会の構成員は, このような当たり前の確認事項を改めて考えることはそれほど多くないだろう. 本稿における現状の整理や問題提起はこの問いを契機としており, 特に大学等の高等教育機関(以下, 大学等という)における障害のある学生に対する就労支援の現状をとりあげ, その実態と課題を述べることとする. 「2. 障害のある学生の増加と修学支援」現在, 日本では障害のある学生が増加している.
ISSN:0915-0870