放射線ニューロパシーに対して治療的電気刺激が著効した2症例

治療的電気刺激(TES)を, 放射線ニューロパシー2例に対して行い, 随意運動の範囲が広がる促通効果を示した. 症例1は, 67歳女性で5年前に乳がんに対して放射線治療を行い, 2年前より徐々に右上肢の筋力低下をきたした. 肩と上腕二頭筋への1日2回15分間のTESを行い, 治療開始3日目より, MMTで肩が1から2レベル, 上腕二頭筋が2から3^- レベルへ改善した. また, 15分間のTES前後の上腕二頭筋のEMGから10%の増加が見られた. 症例2は, 41歳女性で5年前に乳がんに対して放射線治療を行い, 1年前より徐々に左上肢の筋力低下をきたした. 上腕二頭筋へ電気刺激を行うと, 電気...

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Published inリハビリテーション医学 Vol. 38; no. 12; p. 1007
Main Authors 藤居徹, 関和則, 市江雅芳, 半田康延
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本リハビリテーション医学会 18.12.2001
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Summary:治療的電気刺激(TES)を, 放射線ニューロパシー2例に対して行い, 随意運動の範囲が広がる促通効果を示した. 症例1は, 67歳女性で5年前に乳がんに対して放射線治療を行い, 2年前より徐々に右上肢の筋力低下をきたした. 肩と上腕二頭筋への1日2回15分間のTESを行い, 治療開始3日目より, MMTで肩が1から2レベル, 上腕二頭筋が2から3^- レベルへ改善した. また, 15分間のTES前後の上腕二頭筋のEMGから10%の増加が見られた. 症例2は, 41歳女性で5年前に乳がんに対して放射線治療を行い, 1年前より徐々に左上肢の筋力低下をきたした. 上腕二頭筋へ電気刺激を行うと, 電気刺激中に肘屈曲筋力がMMTで2^- から3^- レベルに改善した.
ISSN:0034-351X