後下小脳動脈起始部に生じた外傷性仮性動脈瘤の小児例

後下小脳動脈(PICA)起始部に生じた外傷性仮性動脈瘤の男児例を経験した. 下顎打撲後の意識障害で搬送, CT上くも膜下出血を認めたが, CTAで血管異常を認めなかった. 7日後のDSAで左PICA近位部に微小動脈瘤を認め, 緩徐に増大, 3か月後にコイル塞栓を施行, 治療6か月後にコイルコンパクションを生じ再度コイル塞栓, 以降動脈瘤の再発なく経過した. PICA起始部に動脈瘤が生じた成因は, 椎骨動脈が固定されている硬膜貫通部に強い回転性外力が加わり, PICAが伸展, 亀裂を生じ動脈瘤が形成されたためと考えた....

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Published in小児の脳神経 Vol. 48; no. 1; pp. 58 - 64
Main Authors 藤田浩二, 中西陽子, 中井康雄, 川端将之, 平山勝久, 辻直樹, 松本博之, 中尾直之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本小児神経外科学会 31.03.2023
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Summary:後下小脳動脈(PICA)起始部に生じた外傷性仮性動脈瘤の男児例を経験した. 下顎打撲後の意識障害で搬送, CT上くも膜下出血を認めたが, CTAで血管異常を認めなかった. 7日後のDSAで左PICA近位部に微小動脈瘤を認め, 緩徐に増大, 3か月後にコイル塞栓を施行, 治療6か月後にコイルコンパクションを生じ再度コイル塞栓, 以降動脈瘤の再発なく経過した. PICA起始部に動脈瘤が生じた成因は, 椎骨動脈が固定されている硬膜貫通部に強い回転性外力が加わり, PICAが伸展, 亀裂を生じ動脈瘤が形成されたためと考えた.
ISSN:0387-8023