人工心肺中の血液浄化による血糖上昇抑制効果について

「要旨」我々は人工心肺 (cardiopulmonary bypass : CPB) 中に血液透析濾過 (hemodiafiltration : HDF) を併用し, 血糖値を安定させることができた. 今回HDF併用時, 非HDF時の電解質と血糖変化に関して後ろ向きに調査した. 当院で実施した2017年4月までの180分以内の25例を抽出し, HDFを施行しなかった19例をN群, HDFを施行した6例をA群とした. CPB中の血糖の最大値はN群 : 469±65mg/dL, A群 : 374±54mg/dL (P<0.01) でありA群で有意に低く, 投与したインスリン量はN群 : 0....

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Published in体外循環技術 Vol. 45; no. 1; pp. 34 - 36
Main Authors 奥山浩幸, 玉岡弘充, 八木健太, 井口亮介, 山口さよ子, 北村拡, 辻英昭, 徳井俊也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本体外循環技術医学会 01.03.2018
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ISSN0912-2664

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Summary:「要旨」我々は人工心肺 (cardiopulmonary bypass : CPB) 中に血液透析濾過 (hemodiafiltration : HDF) を併用し, 血糖値を安定させることができた. 今回HDF併用時, 非HDF時の電解質と血糖変化に関して後ろ向きに調査した. 当院で実施した2017年4月までの180分以内の25例を抽出し, HDFを施行しなかった19例をN群, HDFを施行した6例をA群とした. CPB中の血糖の最大値はN群 : 469±65mg/dL, A群 : 374±54mg/dL (P<0.01) でありA群で有意に低く, 投与したインスリン量はN群 : 0.21±0.14mL, A群 : 0.05±0.05mL (P<0.01) であり, A群で有意に少なかった. Na値はCPB開始30分後N群 : 123.3±3.3mEq/L, A群 : 127.9±1.4mEq/L (P<0.01), 90分後N群 : 128.5±3.2mEq/L, A群 : 132.4±2.4mEq/L (P<0.05) であり, A群で有意に高かった. 透析装置を用いた高流量のHDFを行うことでNaを安定させることができ, 血糖値上昇を抑制することが示唆された.
ISSN:0912-2664