医工学による生きた臓器の作製への挑戦 : 挑戦的な臓器作製法Additive Organ Manufacturing

〔和文要旨〕 深刻な臓器不足を根本的に解決するには, 移植に使える臓器~臓器代替物を科学の手で作りだすのが唯一の道である. そこで, 我々は細胞を並べて組み立てて造る革新的な手法に挑戦した. 1)Biopatterningで毛細血管を作れ! 2)細胞で臓器を作る3次元造形装置を作れ! 3)そして, 臓器を作る生産ラインを作れ! 臓器を必要としている患者さんに臓器を届けるために, これらの挑戦に邁進したい. 「はじめに」 「1-1) 臓器不全の治療: 臓器の回復を目指す治療と臓器代替を目指す治療」 様々な原因で臓器が傷害され機能を発揮できなくなった病態が臓器不全であるが, 治療は大きく分けて,...

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Published inOrgan Biology Vol. 24; no. 2; pp. 97 - 102
Main Authors 中村真人, 小倉亮, 吉池成弥, 寺口博也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臓器保存生物医学会 10.07.2017
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ISSN1340-5152

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Summary:〔和文要旨〕 深刻な臓器不足を根本的に解決するには, 移植に使える臓器~臓器代替物を科学の手で作りだすのが唯一の道である. そこで, 我々は細胞を並べて組み立てて造る革新的な手法に挑戦した. 1)Biopatterningで毛細血管を作れ! 2)細胞で臓器を作る3次元造形装置を作れ! 3)そして, 臓器を作る生産ラインを作れ! 臓器を必要としている患者さんに臓器を届けるために, これらの挑戦に邁進したい. 「はじめに」 「1-1) 臓器不全の治療: 臓器の回復を目指す治療と臓器代替を目指す治療」 様々な原因で臓器が傷害され機能を発揮できなくなった病態が臓器不全であるが, 治療は大きく分けて, 2通りの戦略がある. 一つは自己臓器の回復を目指す治療戦略で, 自己の不全臓器が治療の対象となる. 内科的外科的に不全臓器を治療して臓器不全からの脱却を目指す.
ISSN:1340-5152