口腔内体液中のカリクレイン様エステラーゼに関する研究

「緒言」 1928年FreyおよびKrautにより科学的にとりあげられたKallikrein(E C 3. 4. 4. 21)はその後の研究で生体各所で産生され, 血漿中ではその不活性前駆体酵素であるPrekallikreinとして存在することが明らかにされた. そしてこのPrekallikreinは血液凝固第XII因子であるHageman factorやHageman factor fragmentsなどにより活性化されたKallikreinとなり, 血漿中のKininogensから活性PeptideであるKininsを特異的にかつ速やかに遊離させる. このKinins遊離はKallikre...

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Published in神奈川歯学 Vol. 14; no. 3; pp. 253 - 262
Main Authors 寺中敏夫, 須田正文, 斎藤隆嗣, 中嶋正, 神田善行, 宮木克章, 高木亨
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 神奈川歯科大学学会 30.12.1979
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ISSN0454-8302

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Summary:「緒言」 1928年FreyおよびKrautにより科学的にとりあげられたKallikrein(E C 3. 4. 4. 21)はその後の研究で生体各所で産生され, 血漿中ではその不活性前駆体酵素であるPrekallikreinとして存在することが明らかにされた. そしてこのPrekallikreinは血液凝固第XII因子であるHageman factorやHageman factor fragmentsなどにより活性化されたKallikreinとなり, 血漿中のKininogensから活性PeptideであるKininsを特異的にかつ速やかに遊離させる. このKinins遊離はKallikreinのProtease作用によるものであり, Kallikreinの生理活性は遊離されたKininsの活性として把握することができる. 遊離されたKininsは極微量で生理活性を示し, 熱浮腫, 関節リウマチ, 急性膵炎, ショック等に関与していると考えられているが, これら疾患でのKininsの関与を疑問視する報告も見られる.
ISSN:0454-8302