新仮封材キャンシールの封鎖効果について

「緒言」根管治療の主な目的は, 根管内容物を可及的に除去し, かつ根管系を無菌的にすることであると言われている. これらの目的を達するためには, 症例により根管処置が数回におよぶことがあり, 根管の拡大・洗浄・貼薬等を行って仮封した後, 次回の来院を待つことになる. この期間中, 仮封操作が不適切であったり, 仮封材自体に欠陥があった場合には, 的確な根管処置が行われていても根管内に再汚染が生じ, 根管治療が無意味なものになってしまう. Seltzerら, EngstromとFrostell, WinklerとVan Amerogen, 永井らは, 根管治療が終了し根管内細菌培養検査で一度培養...

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Published in神奈川歯学 Vol. 28; no. 3; pp. 368 - 374
Main Authors 石川真紀子, 小笠原常彦, 石塚泰也, 長谷徹, 平林正道, 長田保
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 神奈川歯科大学学会 30.12.1993
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ISSN0454-8302

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Summary:「緒言」根管治療の主な目的は, 根管内容物を可及的に除去し, かつ根管系を無菌的にすることであると言われている. これらの目的を達するためには, 症例により根管処置が数回におよぶことがあり, 根管の拡大・洗浄・貼薬等を行って仮封した後, 次回の来院を待つことになる. この期間中, 仮封操作が不適切であったり, 仮封材自体に欠陥があった場合には, 的確な根管処置が行われていても根管内に再汚染が生じ, 根管治療が無意味なものになってしまう. Seltzerら, EngstromとFrostell, WinklerとVan Amerogen, 永井らは, 根管治療が終了し根管内細菌培養検査で一度培養陰性が得られた場合でも, 根管充填時には陽性転化する場合があるとし, その原因の多くは仮封材からの漏洩の可能性と根管内無菌試験に用いる培地の性能などによるものとしている.
ISSN:0454-8302