当科における肺サルコイドーシスの臨床的検討

1994年1月より2004年までの間, 当科において経験した肺サルコイドーシス18例について臨床的に検討した. 症例:平均年齢46.6歳, 男性8例, 女性10例, 胸部レントゲン分類では, I期8例, II期8例, III期2例であった. 診断方法の内訳としては, TBLB8例, 縦隔鏡3例, 皮膚生検1例, 臨床診断群6例であった. TBLB診断例の病期は, I期2例, II期5例, III期1例であった. TBLBを施行したのは17例でありその病理学的診断率は約47%であった. 気管支内視鏡にて, 粘膜浮腫, 発赤, 血管怒張などの粘膜所見のみられた例は4例あり, 4例ともTBLBにて非...

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Published in気管支学 Vol. 26; no. 3; p. 297
Main Authors 内藤映理, 岩永賢司, 山片重良, 市橋秀夫, 池田容子, 北口佐也子, 大森隆, 上田朋子, 山藤緑, 佐藤隆司, 森冨美子, 辻文生, 宮良高維, 村木正人, 原口龍太, 久保裕一, 東田有智
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本呼吸器内視鏡学会 10.05.2004
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ISSN0287-2137

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Summary:1994年1月より2004年までの間, 当科において経験した肺サルコイドーシス18例について臨床的に検討した. 症例:平均年齢46.6歳, 男性8例, 女性10例, 胸部レントゲン分類では, I期8例, II期8例, III期2例であった. 診断方法の内訳としては, TBLB8例, 縦隔鏡3例, 皮膚生検1例, 臨床診断群6例であった. TBLB診断例の病期は, I期2例, II期5例, III期1例であった. TBLBを施行したのは17例でありその病理学的診断率は約47%であった. 気管支内視鏡にて, 粘膜浮腫, 発赤, 血管怒張などの粘膜所見のみられた例は4例あり, 4例ともTBLBにて非乾酪性類上皮細胞肉芽種が認められた. TBLBにて診断が得られなかった症例においては, BALFでの総細胞数の増加, リンパ球の増多, CD4/8比の著明な上昇, 血清ACEの上昇などが診断に有用であった. 結語:生検による確定診断が得られず, 診断基準に準じて臨床的にサルコイドーシスの診断を行った症例が6例あった. 臨床的診断基準において組織診断は必ずしも必要ではないがTBLBを施行する事で確実な診断が行えること, 他のびまん性肺疾患を除外できることなどの理由で積極的にTBLBを施行したほうが良いと考えられた. 今後, より多くの症例を経験しさらなる臨床的検討を加えたい.
ISSN:0287-2137