Induction Therapyにより癌病巣が完全消失した中枢型小細胞肺癌の1切除例

症例は77歳, 男性. 検診の胸部X線写真にて異常陰影を指摘され, 精査目的にて入院となった. 入院後, 左上肺野に閉塞性肺炎を認め, 気管支鏡を施行したところ, 左B^3 は腫瘍にて閉塞していた. 生検にて小細胞癌(intermediate cell type)との診断を得, c-T2N0M0, Stage Iの中枢型小細胞癌としてCDDPとVP-16による化学療法を2クール, 左上肺野と縦隔に放射線療法を50グレイ施行した. 奏効度はPRで, 末梢にまだ低吸収域が残存し, 化学療法の継続が必要と思われたが, 副作用のために不可能であったため手術(左上葉切除+R2a郭清)を施行した. 切除標...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in気管支学 Vol. 18; no. 4; p. 408
Main Authors 石和直樹, 石田勝大, 高岡和彦, 伊藤秀幸, 野村友清, 矢野真, 森田敬知, 稲垣敬三, 荒井他嘉司, 小林国彦, 森田豊彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本気管支学会 25.05.1996
Online AccessGet full text
ISSN0287-2137

Cover

More Information
Summary:症例は77歳, 男性. 検診の胸部X線写真にて異常陰影を指摘され, 精査目的にて入院となった. 入院後, 左上肺野に閉塞性肺炎を認め, 気管支鏡を施行したところ, 左B^3 は腫瘍にて閉塞していた. 生検にて小細胞癌(intermediate cell type)との診断を得, c-T2N0M0, Stage Iの中枢型小細胞癌としてCDDPとVP-16による化学療法を2クール, 左上肺野と縦隔に放射線療法を50グレイ施行した. 奏効度はPRで, 末梢にまだ低吸収域が残存し, 化学療法の継続が必要と思われたが, 副作用のために不可能であったため手術(左上葉切除+R2a郭清)を施行した. 切除標本では腫瘍は認められず, 癌の遺残と思われたものは, 非特異性肉芽腫であった.
ISSN:0287-2137