久留米大学病院における不適合輸血の実態とその対策

今日, 輸血の安全性は格段に高まっている. 例えば, 重篤な副作用である輸血後GVHD, この発生メカニズムの解析, その防止策である血液製剤への放射線照射. また, 輸血後感染症ではwindow period期の感染の危険性1), それを抑えるべく導入された核酸増幅検査(nucleic acid amplification test:NAT). このような技術の進歩に伴い, 現在供給されている血液製剤の安全性は極めて高いものとなった. ところが, 血液製剤を使用する現場では, 人為的ミスによる輸血事故が後を絶たない. 新聞等に取り上げられた不適合輸血の事例は“氷山の一角”であろう. 事実,...

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Published in日本輸血学会雑誌 Vol. 46; no. 4; pp. 443 - 448
Main Authors 東谷孝徳, 川野洋之, 小川美津子, 相浦佳代子, 佐川公矯
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本輸血学会 01.08.2000
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ISSN0546-1448

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Summary:今日, 輸血の安全性は格段に高まっている. 例えば, 重篤な副作用である輸血後GVHD, この発生メカニズムの解析, その防止策である血液製剤への放射線照射. また, 輸血後感染症ではwindow period期の感染の危険性1), それを抑えるべく導入された核酸増幅検査(nucleic acid amplification test:NAT). このような技術の進歩に伴い, 現在供給されている血液製剤の安全性は極めて高いものとなった. ところが, 血液製剤を使用する現場では, 人為的ミスによる輸血事故が後を絶たない. 新聞等に取り上げられた不適合輸血の事例は“氷山の一角”であろう. 事実, 我々もその事例を経験し, その防止に取り組んできた. そこで, 久留米大学医学部附属病院(以下, 久留米大学病院)における不適合輸血の実態とその防止対策について
ISSN:0546-1448