骨粗鬆症椎体骨折手術例の検討
「はじめに」高齢化社会が進むなかで骨粗鬆症による骨折がADL障害を引き起こし, 特に, 介護に負担のかかる寝たきりなどとなると問題は大きい. 胸腰椎椎体骨折のため麻痺を呈する例もまれではなく, これに対して手術が必要となる場合が少なくない. 今回, 骨粗鬆症椎体骨折手術例の治療成績および合併症を検討し, 手術の意義と問題点を検討した. 「対象」対象は椎体圧迫骨折により対麻痺をきたし歩行不能となったため手術を行った症例のうち, 慈大式分類1度以上の骨粗鬆症を有した女性13例である(表1). 手術時年齢は57歳~86歳(平均71.8歳), 観察期間は7カ月~5年(平均2年1カ月)であった. 全身合...
Saved in:
Published in | 整形外科と災害外科 Vol. 49; no. 3; pp. 809 - 813 |
---|---|
Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
西日本整形・災害外科学会
25.09.2000
|
Online Access | Get full text |
Cover
Loading…
Summary: | 「はじめに」高齢化社会が進むなかで骨粗鬆症による骨折がADL障害を引き起こし, 特に, 介護に負担のかかる寝たきりなどとなると問題は大きい. 胸腰椎椎体骨折のため麻痺を呈する例もまれではなく, これに対して手術が必要となる場合が少なくない. 今回, 骨粗鬆症椎体骨折手術例の治療成績および合併症を検討し, 手術の意義と問題点を検討した. 「対象」対象は椎体圧迫骨折により対麻痺をきたし歩行不能となったため手術を行った症例のうち, 慈大式分類1度以上の骨粗鬆症を有した女性13例である(表1). 手術時年齢は57歳~86歳(平均71.8歳), 観察期間は7カ月~5年(平均2年1カ月)であった. 全身合併症として, RAが2例, SLE, 骨髄異形成症候群, ATL, 水頭症, パーキンソン病, 深部静脈血栓症が各1例で, RA, SLE, 骨髄異形成症候群の4例にステロイドの治療歴があった. レ線上, 第6胸椎から第5腰椎の範囲に1~5椎体, 平均2.8椎体の骨折を認めた. |
---|---|
ISSN: | 0037-1033 |