前十字靱帯大腿骨付着部剥離骨折の一症例

前十字靱帯(ACL)付着部の剥離骨折は脛骨側に顆間隆起骨折として発症することが多いが, 非常にまれなACL大腿骨側付着部剥離骨折を経験したため報告する. 症例は13歳男性, サッカー中にタックルを受け受傷. 近医にてCT上大腿骨顆間部に小骨片と, 外顆顆間面にその骨片が剥離した跡と考えられる骨欠損部を確認され, 当科紹介された. MRI上, 前方に反転し嵌頓した外側半月板と, 顆間部の骨片に連続する弛緩したACLを認めた. 鏡視下に外側半月板縫合術後, ACL周囲の滑膜を切除するとACLの大腿骨側端に二個の剥離骨片を認め, 大腿骨外顆顆間面のACL付着部にそれぞれ前内側束付着部, 後外側束付着...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 60; no. 4; p. 795
Main Authors 川原俊夫, 宮原健次, 牧野佳朗, 田中奈津美, 志田崇之, 徳田晶彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.09.2011
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ISSN0037-1033

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Summary:前十字靱帯(ACL)付着部の剥離骨折は脛骨側に顆間隆起骨折として発症することが多いが, 非常にまれなACL大腿骨側付着部剥離骨折を経験したため報告する. 症例は13歳男性, サッカー中にタックルを受け受傷. 近医にてCT上大腿骨顆間部に小骨片と, 外顆顆間面にその骨片が剥離した跡と考えられる骨欠損部を確認され, 当科紹介された. MRI上, 前方に反転し嵌頓した外側半月板と, 顆間部の骨片に連続する弛緩したACLを認めた. 鏡視下に外側半月板縫合術後, ACL周囲の滑膜を切除するとACLの大腿骨側端に二個の剥離骨片を認め, 大腿骨外顆顆間面のACL付着部にそれぞれ前内側束付着部, 後外側束付着部とみられる剥離骨片の母床を認めた. 成長線を貫かないように大腿骨外顆外側より剥離骨片の母床周囲に細い骨孔を複数作成し, fiber wireを剥離骨片付着部のACL実質にかけ, 骨片をそれぞれ固定した. 術後5カ月経過した現在, 可動域, 安定性ともに良好であり徐々にサッカーに復帰している.
ISSN:0037-1033