当院における輸血後早期副作用について

検査法の進歩により現在輸血は, 比較的安全な治療手段として多く活用されている. 溶血反応, ショック或いは輸血後肝炎のような合併症については充分な注意が払われているが, 蕁麻疹・掻痒感, 発熱, 悪寒戦慄等の致命的でない副作用には, 医師の関心も低くその実態の報告も少ない. 今回我々は, 輸血後比較的早期に発現した副作用について発現頻度, 種類等を検討した. 対象ならびに方法:昭和55年度の当院入院患者592名につき検討した. 輸血副作用を決定するにあたって次の点に留意した. 1. 輸血中に症状が出現し輸血を中止することによってその症状が軽減或いは消失したもの. 2. 輸血後出現した症状が輸血...

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Published in日本輸血学会雑誌 Vol. 28; no. 6; pp. 567 - 569
Main Authors 中田智恵子, 山本恵子, 小林三津男, 大川トヨ子, 廣瀬豊, 近藤達平
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本輸血学会 01.12.1982
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ISSN0546-1448

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Summary:検査法の進歩により現在輸血は, 比較的安全な治療手段として多く活用されている. 溶血反応, ショック或いは輸血後肝炎のような合併症については充分な注意が払われているが, 蕁麻疹・掻痒感, 発熱, 悪寒戦慄等の致命的でない副作用には, 医師の関心も低くその実態の報告も少ない. 今回我々は, 輸血後比較的早期に発現した副作用について発現頻度, 種類等を検討した. 対象ならびに方法:昭和55年度の当院入院患者592名につき検討した. 輸血副作用を決定するにあたって次の点に留意した. 1. 輸血中に症状が出現し輸血を中止することによってその症状が軽減或いは消失したもの. 2. 輸血後出現した症状が輸血前24時間以前には認められなかったもの. 3. 出現した症状が輸血中或いは輸血後遅くとも24時間以内に現われたもの.
ISSN:0546-1448