人工心肺装置を使用した巨大脳動脈瘤クリッピング術の1症例

【要旨】今回我々は, 術前アンギオ検査にて右内頸動脈の未破裂巨大脳動脈瘤に対し, 開胸式体外循環併用, 超低体温下の脳動脈瘤クリッピング術を経験した. 症例は62歳女性, 身長152cm, 体重48kg, 体表面積1. 4平方メートル, 右眼の視野狭窄を生じこれが徐々に悪化しMRIにて腫瘤を認め, 術前検査Matas Test30秒で意識消失となった. 術前合同カンファレンスで超低体温20~25℃とし, 循環停止またはVfのままクリッピングすることにした. 回路はヘパリンコーティング, 脱血法はVAVRシステム法にすることに決まった. 結果は灌流圧40~70mmHg, 体温24.9℃, CPB...

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Published in体外循環技術 Vol. 29; no. 1; pp. 43 - 45
Main Authors 浜岡一幸, 河口俊之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本体外循環技術研究会 01.03.2002
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ISSN0912-2664

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Summary:【要旨】今回我々は, 術前アンギオ検査にて右内頸動脈の未破裂巨大脳動脈瘤に対し, 開胸式体外循環併用, 超低体温下の脳動脈瘤クリッピング術を経験した. 症例は62歳女性, 身長152cm, 体重48kg, 体表面積1. 4平方メートル, 右眼の視野狭窄を生じこれが徐々に悪化しMRIにて腫瘤を認め, 術前検査Matas Test30秒で意識消失となった. 術前合同カンファレンスで超低体温20~25℃とし, 循環停止またはVfのままクリッピングすることにした. 回路はヘパリンコーティング, 脱血法はVAVRシステム法にすることに決まった. 結果は灌流圧40~70mmHg, 体温24.9℃, CPB時間は1時間45分, 内頸動脈遮断時間は7分でクリッピング術を行った. 術後は神経学的症状もなく経過した. 血管虚脱が必要と判断されたとき, また長時間のVf下での手術が予想される場合には開胸式低体温体外循環法が適切と考えられ, VAVRは有用な方法であった.
ISSN:0912-2664