唾液腺造影におけるDR-Systemの使用経験

平成12年3月に当院放射線科に島津製作所製のDRシステム「DIGITEX PRO Multi」が導入され8ヶ月が経過したが, これまでの使用経験についてまとめてみた. この装置の概要としては, 実行焦点は0.3/0.8mmの切り替え式で, メタルイメージインテンシファイア(I.I)は12/9/7inchの三段階に切り換えられる. CCDカメラは12bit(4096階調)の100万画素で, スポット撮影(最大30画像/sec), シリアル撮影(2, 3, 3.8, 5, 7.5frames/sec), DSA撮影(同)に対応している. またモニタは1125ラインのハイビジョンモニタを操作室と撮影...

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Published in歯科放射線 Vol. 40; no. 4; p. 286
Main Authors 香川豊宏, 安河内真司, 瀬々良介, 三輪邦弘, 小川和久, 太田隆介, 和田忠子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本歯科放射線学会 30.12.2000
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ISSN0389-9705

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Summary:平成12年3月に当院放射線科に島津製作所製のDRシステム「DIGITEX PRO Multi」が導入され8ヶ月が経過したが, これまでの使用経験についてまとめてみた. この装置の概要としては, 実行焦点は0.3/0.8mmの切り替え式で, メタルイメージインテンシファイア(I.I)は12/9/7inchの三段階に切り換えられる. CCDカメラは12bit(4096階調)の100万画素で, スポット撮影(最大30画像/sec), シリアル撮影(2, 3, 3.8, 5, 7.5frames/sec), DSA撮影(同)に対応している. またモニタは1125ラインのハイビジョンモニタを操作室と撮影室にそれぞれ2台づつ設置している. 撮影された画像データはCD-R(DICOM format, 3000image/disk)に随時保存をしている. まず濃度分解能についてバーガーファントムを用いて検討を行った. その結果, DR, DSAともに直接撮影とほぼ同じであった. 次に空間分解能を矩形波チャートにて計測した結果, DR, DSAともにI.Iが7inchの時にもっとも良い状態であった. しかし, 直接撮影に比較すると約半分ぐらいであり, まだ十分ではないと思われる. また焦点を変えて同様に計測したが小焦点を用いた方が空間分解能は良好であった. 以上より, 唾液腺造影においては小焦点で, 直接撮影もしくはI.Iが7inchにてDR, DSA撮影を行うのが望ましいと思われる. これまで, 10数例唾液腺造影を施行したが. 実際の症例を数例経験した上で言えることは, DSAでは頭部の固定をしっかり行うことが必要で, またDRやDSAを併用した方が診断能が向上すると思われた.
ISSN:0389-9705