メチシリン感性黄色ブドウ球菌による感染性心内膜炎を発症し, 大動脈弁置換術後に僧帽弁置換術を必要とした1例

《Abstract》症例は50代男性. 腰痛を主訴に前医を受診し, メチシリン感性黄色ブドウ球菌による感染性心内膜炎, 化膿性脊椎炎の診断でドレナージ, 抗生剤加療をされた. その後の精査で大動脈弁閉鎖不全症, それに伴う心不全を認めたため, 診断後18日目に当院へ転院した. 大動脈弁閉鎖不全症により, 心不全コントロールが困難であり, 大動脈弁置換術を施行された. 術後4日目の経胸壁心エコーにて僧帽弁閉鎖不全症を認めたため, 術後6日目に僧帽弁置換術を行われた. その他, 精査にて脾動脈瘤, 肝動脈瘤, 腎動脈瘤を認め, 血管塞栓術を施行された. 弁置換前より継続したセファゾリン投与にて炎症...

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Published in心臓 Vol. 57; no. 1; pp. 78 - 84
Main Authors 古川敦, 岡田寛史, 橋本泰樹, 大平美穂, 下島正也, 吉田昌平, 森三佳, 飯野賢治, 坂田憲治, 薄井荘一郎, 竹村博文, 高村雅之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本心臓財団・日本循環器学会 15.01.2025
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ISSN0586-4488

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Summary:《Abstract》症例は50代男性. 腰痛を主訴に前医を受診し, メチシリン感性黄色ブドウ球菌による感染性心内膜炎, 化膿性脊椎炎の診断でドレナージ, 抗生剤加療をされた. その後の精査で大動脈弁閉鎖不全症, それに伴う心不全を認めたため, 診断後18日目に当院へ転院した. 大動脈弁閉鎖不全症により, 心不全コントロールが困難であり, 大動脈弁置換術を施行された. 術後4日目の経胸壁心エコーにて僧帽弁閉鎖不全症を認めたため, 術後6日目に僧帽弁置換術を行われた. その他, 精査にて脾動脈瘤, 肝動脈瘤, 腎動脈瘤を認め, 血管塞栓術を施行された. 弁置換前より継続したセファゾリン投与にて炎症反応や膿瘍の改善を認め, リハビリ目的に転院した. メチシリン感性黄色ブドウ球菌による感染性心内膜炎にて多発膿瘍, 多発動脈瘤を発症し, 大動脈弁閉鎖不全症に対する手術後に僧帽弁閉鎖不全症を認め, 再度手術加療を必要とした1例を経験した.
ISSN:0586-4488