腰下肢痛治療におけるエピドラスコピーの位置づけ 難治性腰下肢痛治療におけるエピドラスコピーの適応

[要旨] エピドラスコピーの腰椎変性疾患に対する治療効果と, 脊髄腫瘍や硬膜外膿瘍に対する応用について述べた. エピドラスコピーは, 腰椎椎間板ヘルニア, 腰部脊柱管狭窄症, 腰椎手術後症候群における腰下肢痛に有効な治療法である. その治療成績は疾患によって異なると考えられるが, 腰椎椎間板ヘルニア, 神経根症状を示す腰部脊柱管狭窄症に対する長期的な治療成績は特に良好である. 馬尾症状を示す腰部脊柱管狭窄症や腰椎手術後症候群に対する有効性は, 症例によって異なると考えられる. また, 脊髄腫瘍や硬膜外膿瘍の診断治療では, エピドラスコピーを併用することによって, 脊髄腫瘍摘出術や脊椎掻爬洗浄ド...

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Published in日本臨床麻酔学会誌 Vol. 32; no. 2; pp. 271 - 276
Main Authors 五十嵐孝, 村井邦彦, 茂木康一, 島田宣弘, 玉井謙次, 竹内護
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床麻酔学会 15.03.2012
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ISSN0285-4945

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Summary:[要旨] エピドラスコピーの腰椎変性疾患に対する治療効果と, 脊髄腫瘍や硬膜外膿瘍に対する応用について述べた. エピドラスコピーは, 腰椎椎間板ヘルニア, 腰部脊柱管狭窄症, 腰椎手術後症候群における腰下肢痛に有効な治療法である. その治療成績は疾患によって異なると考えられるが, 腰椎椎間板ヘルニア, 神経根症状を示す腰部脊柱管狭窄症に対する長期的な治療成績は特に良好である. 馬尾症状を示す腰部脊柱管狭窄症や腰椎手術後症候群に対する有効性は, 症例によって異なると考えられる. また, 脊髄腫瘍や硬膜外膿瘍の診断治療では, エピドラスコピーを併用することによって, 脊髄腫瘍摘出術や脊椎掻爬洗浄ドレナージ手術の侵襲を低減できる可能性があると考えられる. 「はじめに」 エピドラスコピーの適応は, 保存的治療に反応しない難治性の腰痛や坐骨神経痛で, 脊椎手術の既往を有する患者にも応用が可能である1).
ISSN:0285-4945