荒川区がん予防センターの子宮頸がん検診における細胞採取法の比較検討

目的:当センターでは従来子宮頸がん検診において, 細胞採取に綿棒を用いてきたが, 平成14年4月からclass IIbの症例に対してサイトピックによる再検を行ってきた. そこで細胞採取法(綿棒およびサイトピック)による細胞所見の違いを中心に比較検討した. 対象, 方法:当センターにおいてclass IIbとして1ヵ月後に再検した症例(平成13年度58例, および平成14年度の89例)を対象とした. 細胞所見として細胞採取量, 異型細胞の出現数, 推定診断などについて検討し, さらに再検による要精検率, 生検施行例については細胞診と組織型との比較検討も行った. 結果:平成13年度と比較して, 平...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inJournal of Nippon Medical School Vol. 70; no. 6; p. 577
Main Authors 猪狩優子, 藤田千歳, 矢野侃, 前田昭太郎, 杉崎祐一, 米山剛一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本医科大学医学会 15.12.2003
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:目的:当センターでは従来子宮頸がん検診において, 細胞採取に綿棒を用いてきたが, 平成14年4月からclass IIbの症例に対してサイトピックによる再検を行ってきた. そこで細胞採取法(綿棒およびサイトピック)による細胞所見の違いを中心に比較検討した. 対象, 方法:当センターにおいてclass IIbとして1ヵ月後に再検した症例(平成13年度58例, および平成14年度の89例)を対象とした. 細胞所見として細胞採取量, 異型細胞の出現数, 推定診断などについて検討し, さらに再検による要精検率, 生検施行例については細胞診と組織型との比較検討も行った. 結果:平成13年度と比較して, 平成14年度では細胞採取量, 異型細胞の出現数は優位に増加した. また再検による要精検率は平成13年度20. 69%(58例中12例:classIIb 3例, classIIIa 9例), 平成14年度37. 08%(89例中33例:classIIb 14例, classIIIa 11例, classIIIb 5例, classIV 3例)と上昇した. 総括:綿棒とサイトピックでは, 明らかに細胞採取量, 異型細胞の出現数に差が認められ, また平成14年度では, 要精検率が上昇しclassIIIb以上の症例もみられた. 生検施行例18例中14例にはdysplasia以上の所見が認められた. 以上の事からサイトピックは診断に必要と思われる細胞量が得られやすく, 施設の条件が許すならば, 今後積極的な使用が望ましいと考えられた.
ISSN:1345-4676
1347-3409