肺転移を起こした海綿静脈洞平滑筋肉腫32歳男性例

症例は32歳男性. H11年9月頭痛と右視野視力障害にて発症した. H12年1月4日当科第一回入院. トルコ鞍内から鞍上部にかけ右海綿静脈洞に浸潤する石灰化を伴うmassを認め, H12年1月7日腫瘍摘出術右視神経管開放術を施行した. 術後の病理診断はmeningioma. 残存腫瘍に対し, γ-knifeを行ったが, 腫瘍は増大した. 病理検査を再検し海綿静脈洞leiomyosarcomaと診断した. 外来経過中, 右視力は徐々に低下し消失した. H12年9月17日左視力も急速に低下し第二回入院した. 腫瘍の著明な増大を認め, 10月4日腫瘍摘出術左視神経管開放術を施行した. 術後60Gyの...

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Published inTHE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL Vol. 52; no. 3; p. 229
Main Authors 吉岡秀幸, 山崎弘道, 小泉英仁, 中野真, 浅原隆之, 福井堅二
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 北関東医学会 01.05.2002
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ISSN1343-2826

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Summary:症例は32歳男性. H11年9月頭痛と右視野視力障害にて発症した. H12年1月4日当科第一回入院. トルコ鞍内から鞍上部にかけ右海綿静脈洞に浸潤する石灰化を伴うmassを認め, H12年1月7日腫瘍摘出術右視神経管開放術を施行した. 術後の病理診断はmeningioma. 残存腫瘍に対し, γ-knifeを行ったが, 腫瘍は増大した. 病理検査を再検し海綿静脈洞leiomyosarcomaと診断した. 外来経過中, 右視力は徐々に低下し消失した. H12年9月17日左視力も急速に低下し第二回入院した. 腫瘍の著明な増大を認め, 10月4日腫瘍摘出術左視神経管開放術を施行した. 術後60Gyの拡大局所照射を施行した. 全身検索にて両側上～中肺野にmultiple lesionを認め, 海綿静脈洞leiomyosarcomaが肺転移を起こしたと診断した. 頭蓋内原発のleiomyosarcomaは現在まで16例の報告例があるにすぎず, 免疫不全例放射線誘発症例を除くと本症例で5例目である. 頭蓋内leiomyosarcomaの頭蓋外転移は本症例が初の報告である.
ISSN:1343-2826