乳び血漿製剤に対する一見解

新鮮凍結血漿(FFP)の製造に際し, 細菌汚染, 凝固因子活性, 外観等に留意せねばならない. この外観のうち赤, 白, 黄の着色は, その程度によっては問題視される. しかし赤色を除き一定の基準もないため, 疑問がなげかけられている. 今回はこのうち, 乳濁により白色化したFFP(乳びFFP)に対する, 考え方の一例を紹介する. 方法:FFPの乳び原因と考えられるトリグリセライド(TG)の正常値,乳び化に対する必要量, 医療機関での使用状況を考慮し, FFPの色彩値(L*値)を設定した. 結果と考察:FFP乳び化の指標としてのL*値を採用し, その原因と考えられるTG値との良好な相関を得た....

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Published in日本輸血学会雑誌 Vol. 34; no. 4; pp. 500 - 501
Main Authors 高柳美行, 後藤鉦二, 小久保幸雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本輸血学会 01.10.1988
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ISSN0546-1448

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Summary:新鮮凍結血漿(FFP)の製造に際し, 細菌汚染, 凝固因子活性, 外観等に留意せねばならない. この外観のうち赤, 白, 黄の着色は, その程度によっては問題視される. しかし赤色を除き一定の基準もないため, 疑問がなげかけられている. 今回はこのうち, 乳濁により白色化したFFP(乳びFFP)に対する, 考え方の一例を紹介する. 方法:FFPの乳び原因と考えられるトリグリセライド(TG)の正常値,乳び化に対する必要量, 医療機関での使用状況を考慮し, FFPの色彩値(L*値)を設定した. 結果と考察:FFP乳び化の指標としてのL*値を採用し, その原因と考えられるTG値との良好な相関を得た. また乳びを生ずるTG値を考慮する時, L*値46が求められるが, この値を用いた検討結果は, 医療機関での使用状況にも一致した. 従って, 若干の問題を残す本見解ではあるが, FFPの均質化, 更に品質の向上を図り得る一基準と考えられる.
ISSN:0546-1448