慢性関節リウマチに対する足関節・距骨下関節同時固定術の治療成績

「目的」慢性関節リウマチ(以下RA)における足関節・距骨下関節の病変は日常生活レベルでの運動時疼痛を生じ, 関節固定術を必要とすることが多い. RAでは骨量が減少しており, 2つの関節を同時に固定するためには十分な骨移植と強固な固定が必要である. 我々は腓骨を髄内釘として足関節・距骨下関節同時固定術に用いており, その成績を報告する. 「対象と方法」1990~1997年までの間にRAによる足関節・距骨下関節同時固定術を行った症例は7例で, 男性1例, 女性6例, 平均年齢66歳であった. Larsen分類stage 3が2例, stage 4が2例, stage 5が3例であった. 腓骨を髄内...

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Published inリハビリテーション医学 Vol. 36; no. 12; p. 937
Main Authors 長野真久, 小谷博信, 上尾豊二
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本リハビリテーション医学会 18.12.1999
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ISSN0034-351X

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Summary:「目的」慢性関節リウマチ(以下RA)における足関節・距骨下関節の病変は日常生活レベルでの運動時疼痛を生じ, 関節固定術を必要とすることが多い. RAでは骨量が減少しており, 2つの関節を同時に固定するためには十分な骨移植と強固な固定が必要である. 我々は腓骨を髄内釘として足関節・距骨下関節同時固定術に用いており, その成績を報告する. 「対象と方法」1990~1997年までの間にRAによる足関節・距骨下関節同時固定術を行った症例は7例で, 男性1例, 女性6例, 平均年齢66歳であった. Larsen分類stage 3が2例, stage 4が2例, stage 5が3例であった. 腓骨を髄内釘として距骨下面から逆行性に脛骨遠位まで挿入し, 足関節・距骨下関節を同時に固定した後, スクリューによる内固定を併用した. 骨癒合に要した時間と術前後のJOAscore(日整会足関節疾患治療判定基準)を求めた. 「結果と考察」7例中6例では平均14週で骨癒合が得られた. 1例は偽関節となり, スクリュー抜去と創外固定器による外固定を行った. JOAscoreは術前の平均47点が術後には平均56点に改善した. 腓骨を髄内釘として足関節・距骨下関節同時固定術に用いる方法は, 骨量が減少しているRA症例においても早期の骨癒合が得られ, 有効な方法であると思われた.
ISSN:0034-351X