気管原発腺様嚢胞癌(ACC)に腎細胞癌(RCC)を合併した1例
症例は62歳女性. 1998年10月頃から湿性咳嗽あり, 近医にて気管支喘息と診断され通院中であったが軽快せず, 1999年1月当院受診. 胸部レ線上気管内に腫瘤影あり入院. 気管支鏡検査では, 気管下部に広基性で表面に怒張した表在血管を有し, 気管全周の2/3に達する腫瘍を認めた. また心エコー検査にて, 下大静脈から右房内に延びる腫瘤影を認め, 精査にて右腎腫瘍の右房内進展と診断. 先ず, 気管内腫瘍について, 気管支鏡下レーザー焼灼術施行. 直後に窒息となり, 気管内挿管のまま放射線照射を施行し腫瘍は消失した. 生検にてACCと診断した. 次いで右腎腫瘍には全麻及び人工心肺補助下で, 右...
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Published in | 気管支学 Vol. 21; no. 6; p. 429 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本気管支学会
25.09.1999
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ISSN | 0287-2137 |
Cover
Summary: | 症例は62歳女性. 1998年10月頃から湿性咳嗽あり, 近医にて気管支喘息と診断され通院中であったが軽快せず, 1999年1月当院受診. 胸部レ線上気管内に腫瘤影あり入院. 気管支鏡検査では, 気管下部に広基性で表面に怒張した表在血管を有し, 気管全周の2/3に達する腫瘍を認めた. また心エコー検査にて, 下大静脈から右房内に延びる腫瘤影を認め, 精査にて右腎腫瘍の右房内進展と診断. 先ず, 気管内腫瘍について, 気管支鏡下レーザー焼灼術施行. 直後に窒息となり, 気管内挿管のまま放射線照射を施行し腫瘍は消失した. 生検にてACCと診断した. 次いで右腎腫瘍には全麻及び人工心肺補助下で, 右腎全摘と下大静脈・右房内腫瘍塞栓摘除術を施行した. 生検ではRCCであった. |
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ISSN: | 0287-2137 |