非小細胞肺癌における検体採取方法別EGFR遺伝子変異検出に関する検討

「要約」背景. 非小細胞肺癌におけるEGFR遺伝子変異とゲフイチニブの治療効果との関連性が報告されてきた. 日的. 非小細胞肺癌における検体採取方法別EGFR遺伝子変異の遺伝子診断率及びそれぞれにおけるゲフイチニブの臨床効果を検討した. 対象. 北海道肺癌臨床研究談話会の各施設にて, 2004年11月より2006年1月までに非小細胞肺癌と診断され, EGFR遺伝子変異検索に対する同意が得られた117例. 検体別では, 手術/経気管支生検/その他の生検が52/52/13例であった. 方法. 非小細胞肺癌と診断された検体のパラフインブロックよりDNAを抽出し, PCRで増幅後, ダイレクトシークエ...

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Published in気管支学 Vol. 28; no. 8; pp. 597 - 600
Main Authors 朝比奈肇, 山崎浩一, 木下一郎, 小倉滋明, 石田卓, 山田範幸, 吉田知恵, 中舘恵, 西川就, 菊地英毅, 菊地順子, 品川尚文, 横内浩, 本村文宏, 大泉聡史, 秋田弘俊, 磯部宏, 西村正治
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本呼吸器内視鏡学会 25.12.2006
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ISSN0287-2137

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Summary:「要約」背景. 非小細胞肺癌におけるEGFR遺伝子変異とゲフイチニブの治療効果との関連性が報告されてきた. 日的. 非小細胞肺癌における検体採取方法別EGFR遺伝子変異の遺伝子診断率及びそれぞれにおけるゲフイチニブの臨床効果を検討した. 対象. 北海道肺癌臨床研究談話会の各施設にて, 2004年11月より2006年1月までに非小細胞肺癌と診断され, EGFR遺伝子変異検索に対する同意が得られた117例. 検体別では, 手術/経気管支生検/その他の生検が52/52/13例であった. 方法. 非小細胞肺癌と診断された検体のパラフインブロックよりDNAを抽出し, PCRで増幅後, ダイレクトシークエンスによりEGFRのexon 18-21の遺伝子変異の有無を解析した. 結果. Exon 18-21の遺伝子変異は29%(34/117)で認めた. 手術検体29%(15/52)と経気管支生検検体27%(14/52)との間に有意差はなかった. ゲフイチニブの治療効果との関連性が強く示唆されているexon 19のインフレーム欠失またはexon 21のミスセンス変異(L858R)は26%(30/117)でみられ, 手術検体25%(13/52), 経気管支生検検体25%(13/52)と有意差はなかった. また, ゲフイチニブ治療の奏効率も手術検体で変異が検出された症例で70%(7/10), 経気管支生検検体で変異が検出された症例で67%(8/12)とやはり有意差を認めなかった. 結語. 経気管支生検検体においても手術検体と同様にEGFR遺伝子の変異解析を行うことが可能である.
ISSN:0287-2137