輸血により抗(E+c+Fy^b +Di^a )抗体を産生した一症例
目的:輸血量, 回数が多くなるにしたがい複数の不規則性抗体を有する例が多数あるが今回4種類の免疫抗体を産生した症例を報告する. 症例:患者は50歳O型男性で, 38年より心疾患にて治療中. 47年手術時に輸血歴あり. 57年1月再手術のため入院. 入院時検査で抗(E+Di^a )が検出された. 4月手術にはE.c, Di^a 抗原陰性血を使用した. 5月10日更に抗(c+Fy^b )も認められ直接クームス試験陽性となった. 方法, 成績:抗体検査は市販Panel Cellのみ用いSal→Alb→Alb-AhgとBro→Bro-Ahgの二系列にて実施した. 抗体価はBro-Ahgにて行い抗(E+...
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Published in | 日本輸血学会雑誌 Vol. 29; no. 3; p. 318 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本輸血学会
01.07.1983
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ISSN | 0546-1448 |
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Summary: | 目的:輸血量, 回数が多くなるにしたがい複数の不規則性抗体を有する例が多数あるが今回4種類の免疫抗体を産生した症例を報告する. 症例:患者は50歳O型男性で, 38年より心疾患にて治療中. 47年手術時に輸血歴あり. 57年1月再手術のため入院. 入院時検査で抗(E+Di^a )が検出された. 4月手術にはE.c, Di^a 抗原陰性血を使用した. 5月10日更に抗(c+Fy^b )も認められ直接クームス試験陽性となった. 方法, 成績:抗体検査は市販Panel Cellのみ用いSal→Alb→Alb-AhgとBro→Bro-Ahgの二系列にて実施した. 抗体価はBro-Ahgにて行い抗(E+c)は128倍, 抗cは64倍, 抗Di^a は256倍, 抗Fy^b は64倍であった. 結び:抗体保有者は複数の抗体を産生しやすくその同定も困難となる. 頻回に輸血する場合には, その都度抗体検査が必要である. |
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ISSN: | 0546-1448 |