気道喀出物分析にて診断し得た胆管胸腔瘻の1例
症例:64歳, 男性. 主訴:血痰, 湿性咳嗽. 現病歴:前医にて右少量胸水を認め抗生剤投与されたが胸水の増加認めたため, 当科紹介入院. 既往歴:総胆管癌ope(+). 胸水穿刺の結果より膿胸の診断にて抗生剤治療開始したところ, 経過中黄色で酸味のある喀痰が認められ, 分析の結果, Biliptysisであると考えられた. 原因検索として胸腔造影施行し, 横隔膜を介した胸腔胆管瘻の存在を証明した. その後, ドレナージ施行したが, 敗血症にて死亡した. 病理解剖にて, 吻合部の胆管癌の再発が認められ, これが誘因と考えられた. 今回診断には気道喀出物の分析が大きな役割を果たしたといえる....
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Published in | 気管支学 Vol. 22; no. 2; p. 144 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本気管支学会
25.03.2000
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Online Access | Get full text |
ISSN | 0287-2137 |
Cover
Summary: | 症例:64歳, 男性. 主訴:血痰, 湿性咳嗽. 現病歴:前医にて右少量胸水を認め抗生剤投与されたが胸水の増加認めたため, 当科紹介入院. 既往歴:総胆管癌ope(+). 胸水穿刺の結果より膿胸の診断にて抗生剤治療開始したところ, 経過中黄色で酸味のある喀痰が認められ, 分析の結果, Biliptysisであると考えられた. 原因検索として胸腔造影施行し, 横隔膜を介した胸腔胆管瘻の存在を証明した. その後, ドレナージ施行したが, 敗血症にて死亡した. 病理解剖にて, 吻合部の胆管癌の再発が認められ, これが誘因と考えられた. 今回診断には気道喀出物の分析が大きな役割を果たしたといえる. |
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ISSN: | 0287-2137 |