抗好中球モノクローナル抗体TAG2,TAG3,TAG4,TAG5の特異性の検討

[目的]好中球に対する新しいモノクローナル抗体(MoAb), TAG2, TAG3, TAG4, TAG5(IgG_1 , κ)を作製し特異性, 反応性について検討した. [方法]未梢血好中球で免疫したBALB/cマウスの脾細胞とNS-1細胞をPEGで融合し, 抗好中球抗体を産生する hybridoma を得, TAG2, TAG3, TAG4, TAG5と命名した. 1)これらのMoAbとNA系各型好中球, 他の末梢血血液細胞, 活性化 mononuclear cells(MNC), ヒト由来 cell line との反応性をみた. 2)phosphatidylinositol-spocif...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本輸血学会雑誌 Vol. 44; no. 2; p. 227
Main Authors 谷口菊代, 平岡朝子, 谷廣ミサエ, 高田昇, 小林正夫, 上田一博, 岡田浩佑
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本輸血学会 01.04.1998
Online AccessGet full text

Cover

More Information
Summary:[目的]好中球に対する新しいモノクローナル抗体(MoAb), TAG2, TAG3, TAG4, TAG5(IgG_1 , κ)を作製し特異性, 反応性について検討した. [方法]未梢血好中球で免疫したBALB/cマウスの脾細胞とNS-1細胞をPEGで融合し, 抗好中球抗体を産生する hybridoma を得, TAG2, TAG3, TAG4, TAG5と命名した. 1)これらのMoAbとNA系各型好中球, 他の末梢血血液細胞, 活性化 mononuclear cells(MNC), ヒト由来 cell line との反応性をみた. 2)phosphatidylinositol-spocific phospholipase C(PI-PLC)処理好中球との反応性をみた. 3)4種類の検査法での反応性を比較検討した. [結果] 1)各種血液細胞との反応性 TAG2,3,4は成熟細胞とのみ反応すると考えられる. 2)PI-PLC処理好中球との反応性 PI-PLC処理によりTAG2,3,4の反応性は減弱した.TAG2,3,4はglycosylphosphatidyl-inositol(GPI)で細胞膜に結合した抗原を認識すると考えられる. 3)可能な検査法 TAG2,TAG3,TAG4:IF,GIIFT,M-LAT,MPHATAG5:IF,M-LATlF;theindirectimmunofluorescencetestusingwholebl∞dGIIFT;IFusingfixedgranulocytesM-LAT;themicro-leukocyteagglutinationtestMPHA;themixedpassivehemagglutinationmethodusingsolubilizedgranulocytes 細胞の処理方法によっては抗原性が変化して,反応性が変わると考えられる. [結論]TAG2はFcγRllla(細胞膜貫通型)とFcγRlllb(GPI結合型1のNA2抗原を,TAG3はFcγR111aとFcγRlllbの共通抗原を,TAG4はNB1抗原を認識すると考えられた.TAG5が認識している抗原については検討中である.
ISSN:0546-1448