超音波による頚部頚動脈狭窄症の術前評価

はじめに 頚部頚動脈狭窄症の術前評価は, 従来血管撮影やdigital subtraction angiographyなどにより行われていた. 近年非侵襲的な診断法として, MR angiography(以下MRA)や3D-CT angiographyなどが報告され, また超音波検査でも検査手技上の工夫1)や各検査法との比較が報告されている2). 超音波検査の特徴としては, Bモード法により頚動脈の血管壁や粥腫が直接描出できる点, color flow mapping法(以下CFM法)により, 血管撮影やMRAでは検出できないような微細な血流変化が描出できる点などが考えられる. 我々は頚動脈内...

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Published inNeurosonology Vol. 9; no. 3; pp. 68 - 73
Main Authors 西谷和敏, 上田伸, 松本圭蔵, 阿川昌仁, 高瀬憲作
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本脳神経超音波学会 31.08.1996
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Summary:はじめに 頚部頚動脈狭窄症の術前評価は, 従来血管撮影やdigital subtraction angiographyなどにより行われていた. 近年非侵襲的な診断法として, MR angiography(以下MRA)や3D-CT angiographyなどが報告され, また超音波検査でも検査手技上の工夫1)や各検査法との比較が報告されている2). 超音波検査の特徴としては, Bモード法により頚動脈の血管壁や粥腫が直接描出できる点, color flow mapping法(以下CFM法)により, 血管撮影やMRAでは検出できないような微細な血流変化が描出できる点などが考えられる. 我々は頚動脈内膜剥離術(carotid endarterectomy:以下CEA)の術前や術後の評価に血管撮影やMRAの他, 超音波検査を用いてきた. 今回は, 上記の超音波検査の特徴を考慮し, CEA症例の術前超音波検査における粥腫の所見, その周辺での血流変化とCEAにより摘出した粥腫の組織性状並びに神経症状などを比較検討したので報告する.
ISSN:0917-074X