遺伝子組換え型ヒトインターロイキン-2(S-6820)の体内動態に関する研究(第1報):S-6820投与後のラットにおける検討
S-6820は, Devosらによってクローニングされ, DNA塩基配列が決定された1)組換え型ヒトインターロイキン-2で, N末端にメチオニン残基を有する134個のアミノ酸から成るポリペプチドである. S-6820は, NK細胞活性の増強作用2, 3)とLAK細胞およびインターフェロン産生の誘導能を有する4~6)ことから, 悪性腫瘍に対して生体内防御機構を介しての効果が期待されている. 前報7)において, 著者らはS-6820をカニクイザルに投与したときの血中動態および尿中排泄について検討し, 静注後の血清中濃度推移は2相性を示し, 投与量に比例した水準を示すこと, 反復投与(静注, 皮下注...
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Published in | 薬物動態 Vol. 5; no. 2; pp. 165 - 177 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本薬物動態学会
01.06.1990
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ISSN | 0916-1139 |
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Summary: | S-6820は, Devosらによってクローニングされ, DNA塩基配列が決定された1)組換え型ヒトインターロイキン-2で, N末端にメチオニン残基を有する134個のアミノ酸から成るポリペプチドである. S-6820は, NK細胞活性の増強作用2, 3)とLAK細胞およびインターフェロン産生の誘導能を有する4~6)ことから, 悪性腫瘍に対して生体内防御機構を介しての効果が期待されている. 前報7)において, 著者らはS-6820をカニクイザルに投与したときの血中動態および尿中排泄について検討し, 静注後の血清中濃度推移は2相性を示し, 投与量に比例した水準を示すこと, 反復投与(静注, 皮下注)による蓄積性は認められなかったこと, 尿中への排泄は全く認められなかったことなどを報告した. 本報では, S-6820の体内動態を明らかにするため, Bioassay法およびenzyme immunoassay法(EIA法)を用いてラットにおける血清中濃度推移, 体内分布, 胎仔移行, 乳汁移行, 排泄などについて検討を行ったので報告する. |
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ISSN: | 0916-1139 |