Krukenberg手術の術後リハビリテーションと獲得機能
Krukenberg手術は1917年Krukenbergにより考案された前腕, 手関節切断に対する機能再建術であるがその奇異な外観のため従来は積極的には用いられなかった. 今回当科で行ったKrukenberg手術の術後成績を検討しその有用性について再検討したので報告する. 「対象」症例は4例4手で男性2例, 女性2例で, うち利き手は2例であった. 受傷時年齢は平均43歳, 受傷機転は2例がコンバインによる多重切断であり, 2例がプレス機による圧挫切断であった. 3例では2期的に, 1例では1期的にKrukenberg手術により機能再建を図った. 筋肉の処置は2例でSwansonらの方法に準じ...
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Published in | リハビリテーション医学 Vol. 34; no. 11; p. 829 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本リハビリテーション医学会
18.11.1997
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ISSN | 0034-351X |
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Summary: | Krukenberg手術は1917年Krukenbergにより考案された前腕, 手関節切断に対する機能再建術であるがその奇異な外観のため従来は積極的には用いられなかった. 今回当科で行ったKrukenberg手術の術後成績を検討しその有用性について再検討したので報告する. 「対象」症例は4例4手で男性2例, 女性2例で, うち利き手は2例であった. 受傷時年齢は平均43歳, 受傷機転は2例がコンバインによる多重切断であり, 2例がプレス機による圧挫切断であった. 3例では2期的に, 1例では1期的にKrukenberg手術により機能再建を図った. 筋肉の処置は2例でSwansonらの方法に準じ, 2例ではNathanらの方法に準じた. 術後経過期間は1年から7年半, 平均5ヵ月である. 「結果」両branch間の開大は最大5cmまで可能で, 両者間で約20mmHgのピンチ力を認めた. 外出時には美容上義手を装用するも大半の症例はその外観を受け入れており, 補助手としてADL上よく使用しており機能面での満足度は高かった. 「考察」Krukenberg手術による再建術は知覚のあるbranchで物を把持できること, 義手と異なり着脱操作が不要であること, 他部位の犠性を必要としないで良好な機能再建ができる利点を有し前腕切断患者の機能再建推奨できる方法である. |
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ISSN: | 0034-351X |