点状軟骨異形成症(Chondrodysplasia Pnnctata)の一症例の歯科的所見
本症は1941年Conradiにより初めて報告され, 1983年に国際分類が改正され現在rhizomelic form, dominant X-linked form, common mild formの3型に分けられている. 本疾患はきわめて稀で, 本邦での報告も40症例たらずで, 歯科的な報告は見あたらない. 主要症状は, 軟骨内点状石灰化像および, 四肢短縮, 関節拘縮, 鞍鼻, 皮膚異常, 白内障, 知能低下等である. 今回演者らは点状軟骨異形成症のrhizomeric formと診断された1症例に遭遇したので報告する. 患児は, 4歳1か月の女児で出生時体重は2,154g, 身長35...
Saved in:
Published in | 昭和歯学会雑誌 Vol. 9; no. 1; pp. 69 - 70 |
---|---|
Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
昭和大学・昭和歯学会
01.03.1989
|
Online Access | Get full text |
ISSN | 0285-922X |
Cover
Summary: | 本症は1941年Conradiにより初めて報告され, 1983年に国際分類が改正され現在rhizomelic form, dominant X-linked form, common mild formの3型に分けられている. 本疾患はきわめて稀で, 本邦での報告も40症例たらずで, 歯科的な報告は見あたらない. 主要症状は, 軟骨内点状石灰化像および, 四肢短縮, 関節拘縮, 鞍鼻, 皮膚異常, 白内障, 知能低下等である. 今回演者らは点状軟骨異形成症のrhizomeric formと診断された1症例に遭遇したので報告する. 患児は, 4歳1か月の女児で出生時体重は2,154g, 身長35cm, 現在身長65cm, 体重7.8kg, 全身症状としては, 軟骨内点状石灰化像および, 四肢短縮, 関節拘縮, 鞍鼻, 白内障, 知能低下が認められ, 歯科的検討の結果としては以下の知見を得た. 1)乳歯の大きさは正常咬合を有する健常児と比較して, 歯冠近遠心径, 唇頬舌径共に全歯種で小さな値を示した. 2)乳歯列は, 健常児と比べ歯列弓幅で大きく, 歯列弓長は小さく, 側方への拡大傾向が認められた. 3)口蓋の深さは, 健常児と比べわずかに小さな値を示した. 4)顎顔面部の角度および長さの計測より, 下顎は小さく前方への回転が疑われた. 5)乳中切歯の歯軸傾斜が, 上下顎ともに大きな値を示した. 6)上下顎歯槽基底部の前方での成長の遅れが認められた. 7)下垂体点三角の面積より, 脳頭蓋(冠)部においては, 後頭部, とくに深さに関して大きな値を示した. 8)上・中顔面部においては, ほぼ平均に近く, 下顔面部は小さな値を示した. |
---|---|
ISSN: | 0285-922X |