細胞内Ca2+による転写調節機構の解明

【目的】DREAM/calsenilinは, 細胞内Ca2+によって遺伝子発現を調節すると報告されている分子であり, サイレンサーとして働くDRE配列(down stream regulatory element)と結合する. カルシトニンの転写, 発現が細胞内Ca2+濃度の変化とともに新規の分子DREAM/calsenninの働きを介するかについて検討する. 【方法】DREAM遺伝子の細胞内での強発現(gain of function)とアンチセンス法を利用した発現の抑制(loss of function)という二つの細胞モデルを構築した. これらの細胞にカルシウムイオノホアなどの刺激を与え...

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Published in歯科基礎医学会雑誌 Vol. 43; no. 5; p. 560
Main Authors 山本忠昭, 松田美穂, 竹内弘, 兼松隆, 中島昭彦, 平田雅人
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 歯科基礎医学会 20.08.2001
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ISSN0385-0137

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Summary:【目的】DREAM/calsenilinは, 細胞内Ca2+によって遺伝子発現を調節すると報告されている分子であり, サイレンサーとして働くDRE配列(down stream regulatory element)と結合する. カルシトニンの転写, 発現が細胞内Ca2+濃度の変化とともに新規の分子DREAM/calsenninの働きを介するかについて検討する. 【方法】DREAM遺伝子の細胞内での強発現(gain of function)とアンチセンス法を利用した発現の抑制(loss of function)という二つの細胞モデルを構築した. これらの細胞にカルシウムイオノホアなどの刺激を与え, Northen blotting法および, ELISA法を用いてカルシトニンの転写, 発現量を測定し, 比較検討した. 【結果】細胞内Ca2+の上昇に伴い, 変異型DREAMの強発現系ではカルシトニンの転写, 発現量は, 低下した. また, 発現を抑制したモデルにおいては, 転写, 発現量は, 上昇していた. このことは, DREAMの機能とカルシトニン発現が密接に関わっていることを示している. 現在, 直接転写に関わっていることを示すために, カルシトニン遺伝子のプロモーター領域を使って, ルシフェラーゼ解析をしている.
ISSN:0385-0137