ミニプールNAT導入におけるHBs抗原検査の高感度化の意義

目的:北海道センターでは, 従来より安全な血液供給のため, HBs抗原検査の高感度化について検討を行ってきた. 一方, 全国的にはウインドウ期対策のため全献血に対し昨年9月よりミニプール法によるウイルス核酸増幅検査(NAT)が開始されている. その中で, HBs抗原の高感度化がどのような意義をもつのか検討したので報告する. 方法:献血者540,161例について, 従来のHBV検査(HBsAg:RPHA,Anti-HBc:HI,Anti-HBs:PHA)と化学発光免疫測定法(CLIA,Abbott PRISM)との並行検査を行った. 結果の乖離した検体については可能な限りPCR法によりHBV D...

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Published in日本輸血学会雑誌 Vol. 46; no. 6; p. 570
Main Authors 綱島一章, 大橋恒, 伊原弘美, 酒谷真一, 佐藤進一郎, 加藤俊明, 池田久實
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本輸血学会 01.12.2000
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ISSN0546-1448

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Summary:目的:北海道センターでは, 従来より安全な血液供給のため, HBs抗原検査の高感度化について検討を行ってきた. 一方, 全国的にはウインドウ期対策のため全献血に対し昨年9月よりミニプール法によるウイルス核酸増幅検査(NAT)が開始されている. その中で, HBs抗原の高感度化がどのような意義をもつのか検討したので報告する. 方法:献血者540,161例について, 従来のHBV検査(HBsAg:RPHA,Anti-HBc:HI,Anti-HBs:PHA)と化学発光免疫測定法(CLIA,Abbott PRISM)との並行検査を行った. 結果の乖離した検体については可能な限りPCR法によりHBV DNAの有無を確認した. 結果:CLIA法単独陽性117例のうち確認試験陽性であったのは65例で, PCR検査が可能であった57例中47例にHBV DNAが検出された. そのうち29例は低濃度キャリアと思われ, 現行のミニプールNATでは検出出来ないウイルスレベルであった. 結論:ミニプールNATでは低濃度HBVキャリアの検出は難しいと思われるが, HBs抗原検査の高感度化により, それを補うことが可能である.
ISSN:0546-1448